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序章【Train of beginning -始まりの列車-】

  1. 名前: 歯車の都香 2018/12/29(土) 09:48:23
    序章【Train of beginning -始まりの列車-】


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    世界が一つになる事は出来ないが、私達は世界を繋ぐお手伝いをする。

     

                              エライジャクレイグの線路に刻印されている言葉

     

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    August 14th AM 09:00

     

    世界最長の街、エライジャクレイグ。

    それは人々のたゆまぬ努力と理解、そして長い年月をかけて作り上げられた他に類を見ない鉄道都市だ。

    彼らは大昔に作られた線路を発掘、修復してそれを使用可能な状態にし、多くの街の傍に線路が通る事を認めさせた。

    街の中を通る線路もあったが、そこを停車駅にすることで人の行き来が活発になることから歓迎され、喜ばれた。

     

    太古の技術を活用した列車は他に比類が無く、街が経営する複数の鉄道会社は世界に散る事で、互いに切磋琢磨して良い質を目指すことが出来た。

    そして今日、エライジャクレイグが世界に向けてまた新たな列車を発表することになっていた。

    始発式を行う街として選ばれたのは、“正義の都”と呼ばれ、屈指の防犯率の高さを誇るジュスティア。

    純白の列車の前には百人を超す報道陣が詰めかけ、最新車輌の姿をカメラに収めている。

     

    流線型の車体は空気力学を考えて設計され、滑らかな表面には傷一つ、継ぎ目一つ見当たらない。

    窓ガラスすらなく、白い鳥の嘴のような外装が取り付けられているだけで、他には何もない。

    外装が覆っているのは客車、貨物車も同様で、車輌同士の継ぎ目以外は全て白い装甲が多い、窓もない。

    光沢は最小限に抑えられているのか、陽の光を浴びていても眩いフラッシュを浴びても反射する様子が無かった。

     

    近未来的な全体の造形も然ることながら、一際目立つのは最前部と最後尾の車輌だ。

    鋭く尖り、銃弾のような形をしている。

    これまでに発表されてきた高速鉄道でも同じような形状はあったが、必ず、窓があった。

    だが今回のそれには、窓もライトも、何もない。

     

    一直線に並ぶ二十両の白い車両はまるで白い槍にも見える。

    速度を求めているのか、それとも別の目的があるのか、今の状態からは想像しかできない。

    ただ、この場にいる人間達にも分かっているのは、この車輌はかつてのどの時代にも存在しなかった試みによって誕生したという事だけだ。

    軍用第三世代強化外骨格、通称“棺桶”を核として作られた世界初の列車。

     

    何を目的に、そしてどのような棺桶が使われているのか、多くの人の興味を集めている。

    発表の時間となり、エライジャクレイグからこの列車の車掌を任命されたジャック・ジュノが記者の前に現れた。

    用意された演台の上に置かれていたグラスから軽く水を飲み、話を始めた。

     

    豸゚ ヮ゚)「本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます」

     

    ジュノは四十代前半の女性車掌で、これまでにも多くの列車を走らせ、鉄道ファンの中では知らぬ者はいない有名人だった。

    “定刻のジュノ”、とは彼女の時間に対する精確さを表した渾名であり、彼女の誇りだった。

    ややハスキーな声は彼女が長い時間をかけて作り上げた物で、マイクを使わずとも屋外にいる百人の記者に己の声を届けることを可能にしている。

     

    豸゚ ヮ゚)「ご覧いただいている車輌が、本日より運行を開始するスノー・ピアサーです。

         その名の通り、この車輌は雪の降り積もる土地を通るために特化した車輌で、主にシャルラ方面での走破を前提としています。

         二十両編成であり、貨物車、食堂車、ラウンジとバーを兼ねた車輌が二両ずつ。

         先頭と最後尾を除いた残りの十二両が寝台車となります。

     

         あまり難しい説明をしても仕方がありませんから、そうですね……」

     

    そう言って、ジュノは腕時計を一瞥した。

    銀色の腕時計。

    彼女のトレードマークであり、彼女のかけがえのない仕事道具だ。

     

    豸゚ ヮ゚)「二分で説明を済ませましょう」

     

    記者の内、好奇心の強い数名が腕時計のストップウォッチ機能を静かに始動させた。

     

    豸゚ ヮ゚)「事前発表にあったように、この車輌には強化外骨格を使用しています。

         詳しい説明は保安上できませんが、コンセプト・シリーズを使用しています。

         これにより、雪と雪崩による列車の遅れを失くし、定刻通りスムーズに豪雪地帯を通り抜ける事が出来ます。

         最前車輌をご覧ください」

     

    言われるまでもなく、誰もがその奇妙な車輌を見ていた。

    どのようにして前を見て、どのようにして運転をするのか。

    滑らかに紡がれる彼女の言葉に傾注し、報道陣は一言一句を聞き逃すまいとメモを走らせる。

     

    豸゚ ヮ゚)「あの白い外装、全てが我々運転手にとっての眼なのです。

         全ての車両も同様に、我々は列車の周囲全てを見る事が出来ます。

         最早、ガラスですらないのです。

         銃弾、汚水、爆弾など、あらゆるものから車輌とお客様、そして我々の眼を守るだけでなく、積もり固まった雪を砕く矛となります」

     

    そして突如、ジュノはグラスに入っていた水をスノー・ピアサーにかけた。

    水滴が白い外装に付着し、滴り落ちる――

     

    「ええっ?!」

     

    ――はずだった。

    だが水は一滴も落ちることなく、そして、外装は濡れてすらいなかった。

    驚きの声を上げる記者たちに向け、ジュノは説明を始めた。

     

    豸゚ ヮ゚)「これが、スノー・ピアサーです。

         それでは、説明は以上とさせていただきます。

         列車は定刻通りシャルラ方面に向け出発いたします。

         定刻通りの発車にご協力お願いいたします」

     

    彼女は時計を見なかった。

    記者たちが時計を確認するまでもなく、話はしっかり二分で終わっていた。

    無論、彼女が質問の時間を設けるはずもなく、代わりに質問は代理人の男が対応することとなった。

    代理人は若く見えるが、経験豊富であるかのように堂々とした姿勢で演台の前に立つ。

     

    マイクのスイッチが入っていることを確認して、男は静かに話を繋いだ。

     

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                    (・大・)「では、質問がある方はどうぞ」

     

         _   , --

       / ニ `′二_`.

      / / ヘヽ  -‐、 \  ヽ

     / / , l f'``"" | ト  l l |

     ! | , |     l | | | |.|

     | l /イノー-、  r!'!ヽ  |

    . | /l''=a= , =a=''|r!   「では、質問がある方はどうぞ」

      |,| ` ̄ 〈|    ̄´ ||'

    .  ド||. ,__ヽ__、 l'|

      l l.ト、   __   イ l |

    -'''l ! l.\     /:| ! |`:-

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    最前列にいた記者が挙手し、代理人に指名される前に質問を始めた。

     

    「何故棺桶を使おうと?」

     

    (・大・)「今の我々、いや、この時代に作り上げられる技術はたかが知れています。

        現に、電子機器のほぼ全てが過去の技術を発掘し、再利用しているものばかりです。

        当時に使われていたのと同じ方法で利用しているばかりでは、発展はありません。

        すでにある物を異なった視点で組み合わせて使う事で、新たな発展につながると考えたからです。

     

        既存の物を組み合わせることで新たな発想を生み出し、それが発明のヒントになると言えば分かりますか?」

     

    「あぁ、はぁ」

     

    気の抜けた返事をし、あまり理解をしていない風の記者を置いて、代理人は咳払いをして次の質問を募った。

    指された記者は声を大きく張り上げた。

     

    「シャルラに通じる線路の整備はかなり大変だったと想像されますが、どのようにしてこの短期間で実現したのでしょうか。

    特に、クラフト山脈沿いはかなりその……治安が悪いですから」

     

    クラフト山脈。

    それは世界最大級の標高と長さを誇る山の連なりであり、世界を隔てる巨大な壁として知られている。

    当然ながらその山に阻まれ、近くの町は常に物品の流通に苦しんでいる。

    一年を通じて厳しい気候に見舞われる為、農業は常に天気との戦いであり、収穫を喜ぶよりも雪害に悩まされることの方が多い。

     

    ジャーゲンを経由して運ばれる物資は彼らにとっての生命線であり、それを買えない貧困層は、自然な流れとして野盗と化す。

    陸運の人間達は多少の遠回りになろうとも、クラフト山脈を避けて走る傾向にある。

    荷物と命を奪われでもしたら、配送が遅れるよりもよほど悪いことになる。

    故に、多くの企業はクラフト山脈沿いへの出店はせず、見守るだけに留めているのが現状だ。

     

    何か特産品やそれに準じたものがあればいいのだが、それすらもないとなれば、利益を追求する人間達にとっては何一つ旨みが無い。

    助ける義理などないのだ。

    だが発表された線路図には、あえてその危険な地域を通るように線路が引かれていた。

     

    (・大・)「なるほど、いい着眼点ですね。

         ですが同時に、こう考えてみてはいかがでしょうか。

         何故、治安が悪いのか、と。

         理由は簡単ですよ、仕事が無いんです。

     

         だから我々は仕事を作り、労働力を求めました。

         土地勘があり、体力があり、そして何よりも仕事と金を欲している人間を。

         彼らの協力があったからこそ、線路を敷く事が出来たのです。

         彼らなくして、今日の発表はなかったと言っていいでしょう。

     

         線路が人と街を繋ぎ、こうして夢を繋いだのです」

     

    記者たちの内数人が、代理人の言葉で彼の正体に気付いた。

    彼は、エライジャクレイグの市長、トリスタン・トッド・トレインの息子であり、テ・ジヴェを有するシーサイドシュトラーセ鉄道の社長。

    ナマコブシ・ナスティー・トレイン、その人だった。

     

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                                             The AmmoRe!!

                                        原作【AmmoRe!!のようです】

     

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    スノー・ピアサーの記者会見が始まる十分前、二台の白い車がジュスティアのスリーピースを通過し、街への通行を許可された。

    恐らく、ここ数年で最も早い検査だっただろう。

    その車にはジュスティア警察と軍から事前に許可が下りていただけでなく、市長から直々に余計な時間を使わないようにと言う通達が下されていたからだ。

    ワゴン車とSUVは一度花屋に寄り、それから警察本部に向かった。

     

    警察本部前には数名の警官が立っていたが、彼らの腰には一様にテーザー銃が下がっていた。

     

    (=゚д゚)「おう、出迎えご苦労ラギ」

     

    ワゴン車から降りてきたのは、“虎”と呼ばれるトラギコ・マウンテンライト。

    そして後ろのSUVから降りたのは、記者のアサピー・ポストマンだった。

    長い運転が終わり、アサピーは頭上に輝く太陽に目を細めた。

     

    -@@)「へへっ、遂に僕も――」

     

    その時、アサピーが想像していたのは決して明るい未来ではなかったが、絶望的な未来でもなかった。

    彼が手にした多くの真実と写真は、必ずや彼を有名にしてくれる。

    早ければ今日にでも、真実の報道者、真実の代弁者の渾名が付けられるかもしれない。

    ジュスティアの大地に靴の裏が触れ、空気を吸った僅か数秒で、アサピーは輝かしい未来を妄想した。

     

    ( ''づ)「お前はこっちで話を聞かせてもらうぞ」

     

    そして、妄想は終わった。

     

    ;-@@)「――ちょっ!?」

     

    アサピーは何か気の利いたことを言う前に警官二人に署内に連れ去られ、残ったトラギコは出迎えに来た警官の一人と向かい合っていた。

    夏だというのに黒い長袖の服は極めて異質に見えるが、それは同時に彼女が自らの立場と正体を一切隠すつもりが無いことを意味している。

    警察副長官、ジィ・ベルハウスは逃げも隠れもせずにここにいる、という事を宣言したいのだ。

    その為であれば暑さなど、彼女にとってはあまり気にするべきことではないのかもしれない。

     

    爪゚ー゚)「ご苦労だったな。さて、話を聞かせてもらうぞ」

     

    高圧的な言葉にしか聞こえないが、これが彼女の素なのだとトラギコは知っていた。

    警察の上層部にいる人間で柔軟性のある者など、ほぼ皆無なのだ。

    柔軟性に富む人間は早々に首を切られるか、自ら離職するかしかない。

     

    (=゚д゚)「あぁ、俺も話をしたい気分ラギ。

        ところで、軍の方は?」

     

    爪゚ー゚)「それも含めて、だ」

     

    ジュスティア警察からの呼び出しを受け、トラギコは自らの足でこうしてこの街に戻り、知っていることを話すと決めていた。

    豪華客船、船上都市オアシズで起きた一連の事件。

    更に、ティンカーベルで起きた事件の真相。

    世界の裏で暗躍する組織についての話をするために、今日、この場にやってきたのだ。

     

    そして、ライダル・ヅーの遺体を故郷に連れて帰るために。

     

    (=゚д゚)「そうかよ。ヅーはSUVの方に乗ってるラギ。

        ……くれぐれも、丁重に頼むラギよ」

     

    爪゚-゚)「お前に言われなくてもそうする。

        ワゴンの方には何があるんだ」

     

    (=゚д゚)「証拠品が一つと、借り物が一つラギ。

        バイクはくれぐれも丁重に扱えよ、外交問題に発展するラギよ。

        そいつは借り物だから署の前に置いておけば、後で持ち主が取りに来るラギ」

     

    ワゴン車に積載されている大型バイクは、仮に副長官だとしても、購入するにはかなりの苦労が必要になる。

    金銭的な苦労ならばまだしも、命の危険が伴うとなれば彼女も慎重にならざるを得ないだろう。

    破損させようものなら、現所有者に何をされるか分かった物ではない。

     

    爪゚-゚)「お前と違う。心配はいらない」

     

    ジィが合図をすると、警官達がSUVの後部ドアを開け、棺桶を慎重に降ろし始めた。

    棺桶の上には白い花束が乗っていた。

    ここに来る前に寄った昔なじみの花屋で適当な物を選んでもらい、手向けの花束としたのである。

     

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      厂    `ヽ〉    0  )l _ _ `

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    爪゚-゚)「あれは?」

     

    花束を指さし、ジィが尋ねる。

    トラギコと花束程不似合いな物はない。

    至極当然の疑問だ。

    自分自身花束が似合うとは思わないが、花束と無縁というわけではない。

     

    縁というのはどこで繋がっているのか、分からない物なのだ。

     

    (=゚д゚)「馴染の花屋に頼んで用意させたラギ。

        花の事は良く知らねぇが、あいつは女だったからな」

     

    爪゚ー゚)「……らしくない事をするものだな」

     

    それは呆れでも、ましてや嫌味でもなかった。

    どちらかと言えば、ジィの声と目は新たな発見に驚いているようだった。

    ここで皮肉の一つでも言われても致し方ないと思っていただけに、トラギコは少しだけ拍子抜けした。

    思えば、女に進んで花束を買ったのはいつ以来の事だろうか。

     

    (=゚д゚)「自分でもそう思ってるラギ」

     

    そしてトラギコは本部のビルへと足を踏み入れたのだった。

     

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                    脚本・監督・総指揮・原案【ID:KrI9Lnn70

     

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    ジュスティアで花屋を経営するカレン・クオリスキーとサンディ・フィッシュバーンは突然の来訪者に、流石に戸惑いを隠しきれなかった。

    恩人であるトラギコからの依頼で花束と引き換えに、三人を店の奥に少しの間匿う事になったが、これは彼女達がトラギコと出会ってから初めての事だった。

    彼が個人的な依頼をしてくるというのは、十五年の中で一度もなかった。

    よほどの事情があるのだろうと考え、カレンとサンディは詮索をしないことにした。

     

    <::*´ω::>)「おー」

     

    カーキ色のフードを目深に被った少年が店の奥に並ぶ花を見て声を上げていた。

    どうやら少年はこれだけの花を見るのに慣れていないらしい。

    花屋の商売は時間よりも時期で忙しさが変わる。

    この時期はあまり忙しくならない為、カレンは少年のところへと向かった。

     

    ( ゚ー゚)「お花、好き?」

     

    バックヤードに並ぶ花は、彼女達が丹精込めて育てているものもあれば、遠くの街から輸入して保存している物もある。

    寒い空気を好む花もあれば、水につけておくだけで長生きする花もある。

    色とりどりの花を見上げ、少年は目を輝かせていた。

    カレンに声をかけられたことに気付いた少年は、少し驚いた様子だったが、返答を口にした。

     

    <:: ´ω::>)「おっ…… す、すき……ですお」

     

    人見知りをするようで、言葉は途切れ途切れだった。

    だがそれでも返答をしてくれたという事は、単純に緊張をしているだけの様だ。

    中には人と話すこと自体が嫌いという人間もいる。

    彼はそうでは無いと分かり、カレンは目線の高さを合わせて話を続けた。

     

    ( ゚ー゚)「そっか、それは良かった。

        どんなお花が好きなのかな?」

     

    <:: ´ω::>)「おー……いいにおいのするおはなが、すきですお」

     

    僅かな会話を通じて、カレンは少年にどこか親しみを覚えた。

    彼の放つ雰囲気が、どことなく自分に似ているのだ。

    酷い環境にあって、そこから救い出された自分と似た境遇なのかもしれない。

     

    ( ゚ー゚)「そっか、いい匂いかー」

     

    <:: ´ω::>)゛

     

    少年は小さく頷く。

     

    ( ゚ー゚)「ここにあるのは皆いい匂いがするお花だから、気に入ったのがあったら教えてね。」

        それと、好きに見てていいからね」

     

    <:: ´ω::>)「あ、ありがとうございます……」

     

    カレンがその場を去り、少年に再び目を向けると、早くも花に集中していた。

    少年が特に熱心に目を向けているのは、小鉢に入ったサボテンの赤い花だった。

    久しぶりに花をつけたそのサボテンは売り物ではなく、彼女の私物だった。

    数年前、市場に花を仕入れに行った際、売り物にならない大きさだったために捨てられる物を譲り受けたのだ。

     

    小さな花だが、鮮やかな赤は実に綺麗で、そして可愛らしく、彼女のお気に入りの花だった。

     

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    それが少年にも好かれたのだと思うと、誇らしくあった。

     

     ∞

    ( ゚ー゚)「何、ああいう子供が好きなの?」

     

    サンディが店先の花に霧吹きで水をやりながらそんな冗談を口にする。

    客が来ていないのをいいことに、好き勝手に言うのが彼女実にらしい。

    お互い恋人もいない身であるために、こうした恋愛に関係した冗談がよく口から出てくる。

     

    ( ゚ー゚)「まぁね。 何だか私と似てるのよ。

        あと、放っておけない感じがするの」

     

     ∞

    ( ゚ー゚)「そう? どっちかって言ったらトラさんに似てない?」

     

    ( ゚ー゚)「えぇー? でもまぁ確かに、ちょっと雰囲気的にねー。

        トラギコさんは虎で、あの子は仔犬って感じかなぁ」

     

    小さな少年は、無邪気にサボテンの針を軽く指で触れ、驚き、笑っていた。

    それはまるで仔犬が蝶と戯れているように見えた。

    かと思えば、別の花に目を移し、香りを楽しんでいる。

    花を乱暴に扱う事はせず、注意していなくても大丈夫なようだ。

     

     ∞

    ( ゚ー゚)「トラさん、晩御飯とか食べるかな?」

     

    ( ゚ー゚)「あ、それ訊くの忘れてたね。

        カレーとか食べるかな」

     

     ∞

    ( ゚ー゚)「疲れてそうだったから、お肉一杯入れなくちゃね。

       後で電話して訊かなきゃ」

     

    花屋の商売は正直、儲かる物ではない。

    人生に潤いが必要であると感じたり、花を送る必要がある人間だけが利用する為、生活に余裕はない。

    金に余裕のない人間にとって、花は買う物ではない。

    子供の頃に思い描いていた花屋への羨望とは異なり、現実はかなり厳しかった。

     

    定期的に花を購入してくれる得意先はいるが、それは彼女達の努力がようやく実った結果であり、これまでの境遇に甘んじて得た物ではない。

    軍、そして警察。

    この二つは必ず花を必要とする為、安定して確かな商品を提供できる彼女達の仕事が活かせると考え、営業を行った賜物だ。

    安定した収入が入るが、商売を続けるには厳しいものがある。

     

    それでも、この仕事は辞められそうにない。

    花を愛でる人間がこの荒んだ世界にいる。

    それだけで十分なのだ。

    彼女達が届けた花が誰かを癒す手伝いになれば、それで十分働く理由になる。

     

    夢を抱き、夢を追い続けることになった出来事は今でも彼女達の胸に深く刻まれている。

    十五年前の、二月二十六日のあの日を。

     

    ( ゚ー゚)「じゃあ、いいお肉も買おうね」

     

    二人は少女のような気持ちに帰り、恩人を想って胸を躍らせたのであった。

     

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         総合プロデューサー・アソシエイトプロデューサー・制作担当【ID:KrI9Lnn70

     

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    トラギコが誘導されたのは警察本部で最も重要な部屋、即ち最高責任者がその執務を行う長官室だった。

    これまでに何度も来たことのある部屋ではあったが、相変わらず、そこに座るツー・カレンスキーの放つ雰囲気には慣れない。

    カミソリを指で撫で続けるような、落ち着かない雰囲気。

    人を疑い続け、信じ続けるという矛盾じみた信念のみが生み出す歪な雰囲気。

     

    かつて関わった“砂金の城事件”以来、彼女は長官の椅子に座り、街の治安維持は勿論、世界中にいる警官達への意識改革を行った。

    その一環としてトラギコは彼女と話す機会が他の警官よりも多くあり、その度に口論をした記憶があった。

    彼女がトラギコを切り捨てないのは、かつていたジョルジュ・マグナーニと同じように、誰かが汚れ仕事をしなければならない事を知っているからだ。

    そして、彼が解決してきた事件の多さと難易度をよく理解している人間でもあった。

     

    長官室にある応接用のソファには、予期していた通り、海軍大将のゲイツ・ブームが座っていた。

    木製のローテーブルの上にはクリップで止められた何の資料が置かれていた。

    ツーは己の席から優雅に立ち上がり、ローテーブルの傍に立った。

     

    (=゚д゚)「何だ、俺の昇進についての話ラギか?」

     

    (*゚∀゚)「相変わらずだな、トラギコ。

        お前の昇進は警官である以上、有り得ないということを忘れたか」

     

    (=゚д゚)「別に、昇進なんて興味ねぇラギよ。

        相変わらず冗談の分からねぇ人ラギね」

     

    (*゚∀゚)「冗談など、仕事にはいらないからな」

     

    串刺し判事、そう呼ばれていたツーは自他共に認める堅物であり、冗談は全く通じない。

    関わったほとんどの事件の被疑者を死刑、もしくは求刑された最高の罰を与え、時にはそれを越えさえもした。

    電気椅子、ガス室、絞首刑の場にも率先して足を運び、スイッチを押した。

    彼女は仕事と全てを割り切り、犯罪者たちの命を合法的に奪ってきた。

     

    トラギコとはある意味で真逆の存在ではあったが、確かに、警察官としての理想像を一般人が思い描くとしたら彼女のようなものになるだろう。

    不退転の意志を持ち、悪と断定した物に対しては一切の容赦をかけない姿。

    正義の化身を演じる、正義の集団の長。

    どこかのネジが外れていなければ、その座に座る事は決して敵わない。

     

    覚えている限り、彼女は昔から全く変わっていない。

    生まれてからそうなのか、それともある時期からなのか知らないが、友人に欲しくない人間なのは間違いない。

     

    |  ^o^ |「それより、説明を。 何故 私の部隊が 壊滅しかけたのか」

     

    チック症の影響で、ブームの言葉が途切れ途切れに紡がれる。

    だが彼が苛立ち、そして焦っているのがよく分かる。

    彼の前に置かれている資料はかなり読み込まれていることが見て取れた。

     

    (=゚д゚)「壊滅じゃねぇ、全滅ラギ」

     

    |  ^o^ |「何?」

     

    (=゚д゚)「全滅、って言ったラギ。

        確かな情報筋で、あんたの部隊がオアシズ到着前に入れ替わってる事が分かっているラギ」

     

    (*゚∀゚)「どこの情報だ?」

     

    (=゚д゚)「まぁ待てよ。 まずは座らせてもらうラギよ」

     

    許可の言葉よりも先にブームの正面に座り、トラギコは溜息を吐いた。

    柔らかい、良いソファだった。

    それからツーを見て、嫌味をたっぷり効かせた言葉を送る。

     

    (=゚д゚)「コーヒー」

     

    (*゚∀゚)「……砂糖とミルクは」

     

    トラギコなりにからかったつもりだったが、ツーはそれに応じなかった。

    この程度で喧嘩腰になるようでは、警官達を束ねる長官は務まらない。

    それに実際、これから彼女達に話す内容を考えれば、そう簡単に激昂されても困るのだ。

     

    (=゚д゚)「たっぷりラギ」

     

    ツーがどこかへと立ち去ったのを確認してから、正面のブームの眼を見た。

     

    (=゚д゚)「……実際にオアシズに乗船したのは、隊長だけだったラギ。

        なぁ、大将さんよ。

        ここから先の話はお互い腹を割って話そうや」

     

    一軍の長を前に、トラギコの姿勢はまるで揺るがなかった。

    それを見て、ブームは僅かに眉を顰めたが、頷いた。

     

    |  ^o^ |「いいでしょう。 隠し事をしても 損しかありません」

     

    (=゚д゚)「そう来なくっちゃな」

     

    その話が終わると同時に、トラギコの前に紙コップに入ったコーヒーが乱暴に置かれた。

    溶けきっていない角砂糖が薄茶色のコーヒーの表面から飛び出しており、極めて強い悪意を感じた。

     

    (=゚д゚)「わりぃな、次はジィを呼んでくれラギ。

        ……俺が持ってきた証拠品と一緒にな」

     

    トラギコは決してツーの事を過小評価している訳ではない。

    彼女は努力家であり、そして研究家だ。

    彼女が長官に任命される前に取り組んでいた事が警官達の人相と人間性の把握であり、何かを得るために相応の努力をする事は知っている。

    だからこそ、彼女をからかうのはもうおしまいだ。

     

    ここから先、トラギコがする話はジュスティアだけに限らず、多くの街を巻き込むことになる。

    いや、街だけならばまだいい。

    彼の予想では、世界を巻き込む大きな事件に発展する可能性が大いにある。

    彼が所属する部署、“モスカウ”はそういった難事件や組織を取り締まる事を目的に設立され、誰もがそのために働いているのだ。

     

    ツーは内線を使い、トラギコの要求通りジィを呼び出した。

    今のトラギコは唯一の生き証人であり、複数の事件に関する貴重な情報を持っている人間だ。

    彼の言葉に逆らう意味がない以上、例え長官であっても指示には従うしかない。

    十数分後、長官室の扉を開いてジィが現れた。

     

    彼女の手には大きなスーツケースが握られている。

     

    爪゚-゚)「持ってきたぞ」

     

    (=゚д゚)「じゃあそいつを見ようか」

     

    ケースを受け取り、テーブルの上に乗せる。

    重みでテーブルが軋んだ。

     

    (=゚д゚)「これは誰も開けてないラギね?」

     

    爪゚-゚)「お前がそう言ったんだろ」

     

    (=゚д゚)「念のためラギよ。

        ……こいつは、ティンカーベルで使われた棺桶の一部ラギ。

        勿論、それ以外の場所でも使われたことが分かっているが、まぁ、見た方が早いラギ」

     

    ケースを開き、そこに収められていた部品を取り出した。

     

    (=゚д゚)「白いジョン・ドゥ。 しかも起動コードが違うラギ」

     

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    それは、黄金の大樹をモチーフにしたエンブレムを持つ、ジョン・ドゥの頭部だった。

    ヘルメット部に輝くエンブレムを見て、ツー、そしてジィは息をのんだ。

    彼女達はそれに見覚えがあった。

    無論、そうであろうことはトラギコの予想の内であり、この証拠品がトラギコの言葉を後押ししてくれることを確信していた。

     

    (=゚д゚)「見た事、あるラギね」

     

    (*゚∀゚)「……話せ、トラギコ」

     

    爪゚-゚)「……」

     

    長官、そして副長官がトラギコを睨みつける。

    出し惜しむつもりはない。

    トラギコは彼女達、そしてジュスティアの理解と協力を得るためにここにいるのだ。

    机の上にある書類に一瞬だけ目を向け、確認をしてから視線を前に戻す。

     

    (=゚д゚)「フォレスタ、ニクラメン、オアシズ、そしてティンカーベルで使用されたのを確認しているラギ。

        そこで何が起きたのかは、アサピーに渡してある報告書の通りラギよ」

     

    机上にあった資料は、アサピーに持たせていた報告書の写しだった。

    あの短時間で報告書をコピーしたこともそうだが、それに全て目を通したであろうこの場の人間がトラギコにとっては頼もしかった。

     

    (*゚∀゚)「一点追加だ。 その棺桶、ジュスティアでも使用されている」

     

    (=゚д゚)「……話が分かりそうで助かるラギ。

        なら分かるだろうが、この棺桶は個人でどうこう出来るレベルの代物じゃねぇラギ。

        大規模な組織が関わっているのは間違いないラギ。

        さっき“ゲイツ”が全滅したと言ったが、出発の段階で隊長以外はほぼ入れ替わった後ラギ。

     

        どういうことか分かるラギ?」

     

    その言葉を投げかけられたブームは、トラギコが持つジョン・ドゥの頭部を見つめながら、静かに言った。

     

    |  ^o^ |「つまり ジュスティア内で 殺されて 入れ替わった と」

     

    (=゚д゚)「正解ラギ。 ワタナベ・ビルケンシュトックって女がゲイツの中にいたから間違いないラギ」

     

    爪゚-゚)「ワタナベ……だと?」

     

    その名前に反応したのは意外なことにジィだった。

     

    爪゚-゚)「冗談だとしたら笑えないな。 そいつは、本部のモスカウ――難事件解決専門の部署――が追ってる快楽殺人鬼だ。

        ジュスティアにそんな女が入り込むなど、有り得ない」

     

    (=゚д゚)「だが事実ラギ。

        この街で会ったから間違いないラギ。

        キャメルストリートの536って店ラギ」

     

    |  ^o^ |「貴様 まさか 逮捕しなかったのか?!

         女を 相手に 油断する ような――」

     

    (=゚д゚)「あの女がどういう女か知っているんなら、酒場で奴が何をするか想像ぐらい出来るだろ。

        あいつはニクラメンでプレイグ・ロードを使っていたラギよ。

        第一、あいつをモスカウが追ってるなんてのも今聞いたことラギ」

     

    プレイグ・ロード。

    その悪名、そして非人道的な兵装については威力も合わせて報告書にまとめ――アサピーに書かせた――が済んでいる。

    民間人を相手に容赦なくそれを使える人間は、感情的になった時が最も恐ろしい。

    536でそういった兵器を使われる可能性を考えれば、あの場は相手を興奮させるようなことはしない方がよかったのだ。

     

    実際、彼女を逃した結果得られた情報は極めて有用な物が多かった。

    そして命を救われたことも合わせて、トラギコはワタナベを今はまだ泳がせた方がいいと考えている。

    無論それを口にすれば、目の前で憤っている男は更に激憤するだろう。

     

    (*゚∀゚)「このトラギコは確かに粗暴だが、女相手に手を抜いたりするような奴じゃない。

       私が保証する」

     

    思わぬところからの助け舟に、トラギコは思わずその声の主を見た。

    記憶が確かなら、女犯罪者の顔が変わるまで殴った時、彼女はトラギコを罵倒したはずだ。

    意外なことが信頼につながる物だと、トラギコは感心した。

     

    (*゚∀゚)「それに、問題はそこじゃない。

       トラギコ、その女、ジュスティアに入り込んでいたのは事実か?」

     

    ツーは状況を理解していた。

    問題はトラギコがワタナベを逃がしたことではなく、どのようにしてワタナベがこの街に入って来たのか、だ。

    快楽殺人鬼としてジィが知っているレベルの人間であれば、この街に入り込むことはまずもって不可能なはず。

    スリーピースを力ずくで突破したのではないことぐらい、流石に頭の固い軍人でも分かるだろう。

     

    (=゚д゚)「間違いねぇラギ。

        このジョン・ドゥを使う組織、ジュスティア内に潜り込んでいるラギよ」

     

    沈黙が部屋に訪れた。

    どこかに置かれた時計の針が時を刻む音が静かに続く。

    トラギコはコーヒーを飲み、息を吐いた。

     

    (*゚∀゚)「お前の言わんとすることは分かった。

        お前の言葉が全て事実だとして、そいつらの目的は何だ?」

     

    (=゚д゚)「俺が知るわけないだろ。

       それを調べるためには、まだ時間が必要ラギ。

       俺の捜査を邪魔するなよ」

     

    (*゚∀゚)「お前次第だ。

        ……ところで、デレシア、という人間の名前を聞いた事は?」

     

    その名前は良く知っているが、どうしてそれが彼女の口から出て来たのかが分からない。

    トラギコは咄嗟に嘘を吐いた。

    報告書にも名前は載せにいるのは、別に恩義があるからではない。

    ここでジュスティアが絡んでくると、デレシアに関する手がかりを逃す可能性が高いからだ。

     

    (=゚д゚)「聞いたことねぇラギな。

        誰ラギ?」

     

    (*゚∀゚)「これまでの一連の事件に関わっているとされる人物の名前だ。

        ニクラメンの事件を起こしたというタレこみがあった」

     

    それについてはトラギコも考えていた。

    あのビルで起きた爆破事件に関する証拠品はないが、まず間違いなくデレシアが関係していると言っていい。

    実行犯か否かは重要ではない。

     

    (=゚д゚)「へぇ…… ちなみに、誰からのタレこみラギか?」

     

    (*゚∀゚)「内藤財団の西川・ツンディエレ・ホライゾンだ」

     

    (=゚д゚)「デレシアってのは、どんな奴ラギ?」

     

    思いがけないところでデレシアの名前が出てきたこともそうだが、内藤財団副社長の名前が出た事にも驚きがあった。

    やはり、トラギコが思った通りティンバーランドという組織は、かなり巨大な規模の組織と考えた方がいいだろう。

    後援に彼女がいるのか、それとも財団がそうなのか。

    それはまだ分からないが、調べるべきは内藤財団であることが分かった。

     

    しかし、トラギコにとっては内藤財団の情報よりもデレシアに関する情報の方が欲しかった。

    人間離れした強さを持ち、旅をする謎の多い女。

    トラギコがオセアンで担当することになった事件の主犯と睨んでいる人物だが、あまりにも謎が多すぎ、その正体を推測する事すら出来ないでいる。

     

    (*゚∀゚)「……ジュスティアの歴史を紐解けば、必ずその名前に突き当たる。

        一部の人間だけが知る女の名前だ」

     

    (=゚д゚)「ほぅ」

     

    (*゚∀゚)「問題なのは、デレシアという女が数千年前の歴史に名を残してるという点だ。

        その女の正体如何で、捜査が変わってくる」

     

    人の名前など、いくらでも被るものだ。

    数千年どころか数億年前の人間と同じ名前があったとしても、何一つ不思議はない。

    同一人物でもない限り、気にする必要はない。

    そう言うべきなのに、トラギコは何も言えなかった。

     

    ――デレシアと云う旅人について、トラギコは何一つとして正しい情報を知らないのだから。

     

    (*゚∀゚)「もしもその女を見つけたら、参考人として連れてこい。

        もしくは近くの警官に引き渡すんだ」

     

    (=゚д゚)「見つけたらな」

     

    (*゚∀゚)「そうしてくれ。

        さて、次の話だ。

        ティンカーベルでの一件、詳細を聞こうじゃないか」

     

    実際、トラギコにとって今回の報告の中で最もやりにくいであろうと推測していたのが、ティンカーベルでの事件だった。

    ショボン・パドローネ、ジョルジュ・マグナーニそして脱獄犯。

    あまりにも多くの情報がありすぎるだけでなく、彼を困らせているのはすでに内通者の影を見つけてしまっていることだった。

    どこから話せばいいのか、そう考えたトラギコはまずショボンの事から報告を始めることにした。

     

    (=゚д゚)「まずはオアシズ、そこから話をしなきゃならねぇラギ」

     

    今日はいつにも増して長く、そして充実した一日になりそうだった。

     

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               編集・録音・テキストエフェクトデザイン【ID:KrI9Lnn70

     

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    警察本部の前に、一台の大型バイクが駐車されていた。

    三つ目のライトは猛禽類の眼のように鋭く、車体を覆うカウルは、空気力学は勿論、航空力学をも参考に設計された物だ。

    このバイクは世界に現存する僅か三十台の内の一台で、最も状態がよく、現役で走っている唯一の車輌だった。

    その価値を知る人間は少ないが、その堂々とした佇まいは道行く人間の目をくぎ付けにした。

     

    開発名、Ideal――アイディール――はこの世に誕生したバイクの中で、世界最高の物と言っても過言ではない。

    アイディールは大昔、人類がまだ科学と技術で栄華を誇っていた時代に作り出された、バイク乗り達にとっての理想形として設計され、生み出された。

    搭載された人工知能は乗り手の好みや癖を理解し、自動的に操縦者の状況と環境に合わせて運転の最適化を行う。

    例えば乗り手が背の低い女子供であればそれに合わせて車高を低くし、悪路を走破する際には車高を高くすることもサスペンションを柔らかく設定することもある。

     

    個を理解するという概念、そして自己理解による進化を可能にした人工知能は、後にも先にも、バイクの中で搭載したのはこのアイディールだけだった。

    このバイクには開発名とは別に、個体を識別するための名前が個人によって与えられていた。

    それはその人工知能にとって、初めての経験だった。

    これまでのどの持ち主も、バイクを道具として扱い、開発名以外の名前は呼ばれたことが無い。

     

    たった一人、ある少年を除いては。

     

    (#;;-)

     

    一人の少年にディ、と名付けられたバイクは周囲の状況と現在地から、ここがジュスティアであることを認識していた。

    前の持ち主がこの街の出身者で、ここを何度も走った事がある。

    その時と街並みは少しだが変化をしており、地図の更新が必要だった。

    無駄だと分かりながらも、短距離通信を行い、周囲にいる同型機からの情報共有を求める。

     

    予想していた通り、返答はなかった。

    何度か世界を巡った際にも応答はなかった。

    現存するアイディールは金持ちにとっての鑑賞品となり、本来の用途で使われているのは自分だけだろう。

    制作された日から現在までの時間を考えれば、それも当然だった。

     

    <::ー゚::::>三)「お待たせ、ディちゃん」

     

    名を呼ばれ、ディはエンジンを始動させた。

    その声は名付けた少年と親しい女性で、これまでの所有者の中で最も腕のいい人間だった。

    そして、初めてディの声に気付いた女性でもあった。

     

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    <::ー゚::::>三)「お出かけしましょう」

     

    その言葉でディはスタンドを自ら外し、声のした方に向かって走りだした。

    ディは完全自動運転、そして二輪にも拘らず自動自立走行が可能だった。

    独りで走り出すバイクを見て、通行人たちが驚きの目でディを見る。

     

    <::ー゚::::>三)「いい子ね」

     

    ディはカーキ色のローブをまとい、フードの下で笑みを浮かべる女性の前で停車した。

    その女性こそが、ディの今の所有者だった。

    名前は、デレシア。

    詳しいことは、よく分からない。

     

    <::ー゚::::>三)「安心して。ブーンちゃんも一緒よ」

     

    その名を聞いて、ディはエンジンを吹かし、喜びを露わにした。

     

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          撮影監督・美術監督・美術設定・ビジュアルコーディネート【ID:KrI9Lnn70

     

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    ヒート・オロラ・レッドウィングは花屋のバックヤードで迎えが来るのを静かに待っていた。

    殺し屋だった過去を持つ彼女でも問題なくジュスティアの街に入る事が出来たのは、トラギコの機転と協力があったからだ。

    店の主人二人はどうやらトラギコと知己の仲であるらしく、詮索も何もせず、三人を受け入れてくれた。

    この後に待ち受けているのは、エライジャクレイグを利用してラヴニカに向かう事だ。

     

    先日の一件でヒートの棺桶である“レオン”は左腕に重大な損傷を受け、使えなくなっている。

    それを修理するためにデレシアは目的地をラヴニカへと設定し、手段としてエライジャクレイグを選択した。

    ラヴニカに行ったことはないが、どのような街なのかは聞いたことがある。

    複数のギルドが混在し、職人気質な人間達が肩を並べる街。

     

    発掘された棺桶は勿論、DATなどもその街に運び込まれることが非常に多く、修理や改修も行えると聞く。

    何か目的のある旅ではない為、遠回りという事もない。

    ヒート自身も右肩を骨折しており、満足に戦える状態ではない。

    左手だけで銃を使えばいいが、やはり、利き手を使えないのは手痛い。

     

    一カ月もすれば骨は治るだろうから、己の負傷については不安にならなくてもいいだろう。

    しかし、ヒートはティンバーランドが手段を選ばないようになってきていることに、不安を感じずにはいられなかった。

    不安の対象は、やはり、まだまだ子供であるブーンを守り切れない事だった。

    今の状況で何か起きたら、ヒートは戦力として使い物にはならない。

     

    彼が何か危険に巻き込まれる可能性は極めて高く、ヒートやデレシアのように武力である程度解決できる力はない。

    今はまだ誰かに守られなければ、ブーンは生きていくことも世界を歩く事さえ出来ない。

    最近は技術を身につけているが、それでも、武器や兵器を使う大人には勝てない。

    実質、デレシアがヒートとブーン二人を守らなければならない状況であるため、極めて危険な状況であることは間違いない。

     

    列車という閉鎖的な空間は、オアシズで起きた事件を想起させる。

    逃げ場のない空間で襲われたら、反撃する以外に身を守る方法はないのだ。

    最終目標や目的地の無い旅であるため、何も焦らなくてもいい事は重々承知している。

    これ以上ティンバーランドの人間が彼女達を狙わなければ、ブーンの成長を見守りながら穏やかに余生を過ごすことも悪くはない。

     

    だが、それだけでは駄目になってしまった。

    ティンカーベルで遭遇した母親、クール・オロラ・レッドウィングを殺すという目的が生まれてしまった。

    ヒートの弟、そして父を殺したあの女をこの手で殺さなければならない。

    その激情に憑りつかれた結果がこの怪我であることは分かっているが、気持ちが萎えることはない。

     

    今もまだあの女を殺したくて仕方がないのだ。

     

    <:: ´ω::>)「ヒートさん、おはな……です……お」

     

    物思いにふけっていると、ブーンがおずおずと歩いてきた。

    彼の手には鮮やかな赤色の小ぶりな花束が握られている。

    微妙に色が異なる複数の花が束にされ、ところどころに白くて小さな花が見えている。

    店主が気を利かせてブーンに持たせてくれたのだろうか。

     

    <:: ´ω::>)「あの……これ……」

     

    ノパ⊿゚)「ん? どうした?」

     

    (<:: ´ω::>)「これ、ヒートさんに……」

     

    花束を差し出され、反射的に屈んでそれを左手で受け取る。

    花の芳香がふわりと漂ってきた。

    生まれて二十五年を迎えているが、異性からこうして花束を貰ったのは初めての事だ。

     

    (<:: ´ω::>)「おねーさんたちに……おねがいして、あの……つくってもらって……」

     

    ノパ⊿゚)「お、おう」

     

    驚いたのはブーンの行動力だった。

    あれだけ人見知りが激しい彼が、全くの初対面の人間に話しかけたのだ。

    ジュスティアは人種差別の激しい街であることは事前にデレシアから伝えられていたのにも関わらず、だ。

     

    (<:: ´ω::>)「ヒートさん、げんきないから……」

     

    ブーンの小さな手が、ヒートの頭に乗せられた。

    そして優しく撫でられた。

     

    <:: ´ω::>)「げんき、だしてください」

     

    ノパー゚)「ははっ、まいったな……」

     

    元気づけたりしなければならない立場だと思っていたが、どうやら、ブーンは思った以上に成長を遂げているようだった。

    旅の中で彼が成長していく様は、やはり、ヒートにとっては我が事のように嬉しいものがあった。

    まさかこうして、慰められるとは思いもしなかった。

    ブーンの手を取り、ヒートは彼を抱きしめた。

     

    店の裏口から静かなエンジン音が聞こえてきたが、ヒートの心はそれに向けられることはなかった。

    その時ばかりは、彼女の心の中にあった増悪は微塵も姿を見せなかった。

    あるのは、愛おしいという感情だけだった。

     

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         総作画監督・脳内キャラクターデザイン・グラフィックデザイン【ID:KrI9Lnn70

     

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    ζ(゚ー゚*ζ「……あらあら」

     

    裏口から入ってきたデレシアは、ブーンを抱きしめているヒートを見て思わず頬が緩むのを禁じ得なかった。

    どうやら、二人の仲が更に親密なものになったようだ。

    ヒートの手に小さな花束があることからある程度の推測をし、特に何かを言う事はしない。

    どれだけ強くても、人間は完璧に強く在り続けることはできないのだ。

     

    二人分のヘルメットを手に、デレシアは二人の様子を少し見守ることにした。

    焦る旅ではない。

    目的などあってないような旅なのだ。

    ならば今は、二人の成長を見守ることに時間を割いても何ら問題はない。

     

    仮にこの場にティンバーランドの人間が攻め入って来ても、デレシア一人でも対処できる。

     

    ノハ;゚⊿゚)「おっ?!」

     

    (<:: ´ω::>)「おっ?」

     

    ζ(^^*ζ

     

    ようやくヒートがデレシアの存在に気付いたのか、ブーンと共に奇声を発した。

    ブーンは最初から気付いており、ヒートの声に驚いた様だ。

    二人分のヘルメットを掲げ、デレシアは笑顔を浮かべる。

     

    ζ(゚ー^*ζ「そろそろ行きましょうか。

          準備はいい?」

     

    ノパ⊿゚)「あぁ、あたしはOKだ」

     

    (<:: ´ω::>)「だいじょうぶですおー」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ヒートちゃんにお花をあげたの?」

     

    (<:: ´ω::>)「はいですお」

     

    これまでの旅を通じ、ブーンが花をプレゼントという考えを自ずと導いたとは考えにくい。

    となれば、第三者の助力があったと考えるのが自然だ。

     

    ζ(^^*ζ「いいセンスね。

           お花屋さんが選んでくれたのかしら」

     

    (<:: ´ω::>)「おー、そうですお」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ちょっとお礼を言ってくるから、二人とも先にディちゃんのところにいてちょうだい。

          ブーンちゃん、ヒートちゃんのお手伝いをお願いするわね」

     

    (<:: ´ω::>)

     

    ブーンは頷いて、ヒートと共に店の裏口から外に出ていった。

    残ったデレシアは店先に向かい、二人の女店主に声をかける。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「いきなり来た上に、色々とごめんなさいね」

     

    ( ゚ー゚)「いえ、いいんですよ。

        もうお出になりますか?」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「えぇ、迷惑をかけるわけにはいかないもの。

          そこにある小さなヒマワリを二輪いただいてもいいかしら」

     

     ∞

    ( ゚ー゚)「ありがとうございます。

        十セントになります」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう。

          ……はい、お釣りはいらないわ」

     

    デレシアは店員の手に、百ドル金貨を一枚乗せた。

     

     ∞

    (;゚ー゚)「えっ?! これはもらいすぎです」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「いいえ、正当な対価よ。

          ちゃんとお手入れをしたお花なのは見ればよく分かるわ。

          それに、貴女達があの子に選んでくれた花束、とても素敵だったもの」

     

    (;゚ー゚)「でも、流石にこれは……」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「なら、一つだけお願いをしてもいいかしら?

          多分今夜、トラギコはここに立ち寄るから、その時に美味しいものをご馳走してあげてちょうだい」

     

    花を受け取り、デレシアは軽く礼をしてその場を去った。

    実際、二人の仕事は丁寧で良いものだった。

    本来、ジュスティアの人間ならば不審者を匿ったりはしない。

    だが二人はトラギコの頼みを受け入れ、更にはブーンとヒートの距離をより一層縮める手伝いをしてくれた。

     

    その報酬については、バックヤードに置手紙と共に置くことにした。

    彼女達を経由してトラギコにも礼が出来れば御の字である。

    扉を開くと、店の外に停めておいたディの前に二人は立っていた。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「お待たせ。

          はい、これはブーンちゃんに。

          それでこっちは、ディちゃんに」

     

    そう言いつつ、デレシアは先ほど買ったヒマワリをブーンに手渡し、もう一輪をディのスクリーンの前に置いた。

    極めて性能のいいウィンドスクリーンであるため、ここに置いておけば風で飛ばされることはない。

    ヘルメットを被り、ディに跨る。

    ディのメーターの色が変化し、感謝の意を示した。

     

    二人が乗りやすいよう、自動で車高が下がる。

    ヒートがタンデムシートに座るのをブーンが手伝い、最後にブーンがタンクの前に座る。

    そして車高が元の高さに戻り、デレシアはギアを入れてアクセルを捻った。

    エンジンが静かに唸りを上げる。

     

    三人と一台は次の目的地に向かい、走り出した。

     

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                撮影・演出・音響・衣装・演技指導・編集【ID:KrI9Lnn70

     

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    ジュスティア駅には複数の線路が走り、複数のプラットホームがあるが、スノー・ピアサーが停車している場所を見つけ出すのは極めて容易だった。

    人だかりとカメラのフラッシュを見つけ出せば、この場に初めて来た人間でも見つけられる。

    記者会見後、乗車を開始したスノー・ピアサーの前には鉄道ファンや記者が大勢詰め寄せ、写真撮影をしていた。

    他に類を見ない新型車両はその性能の詳細を未だに発表しておらず、人々の好奇心と想像力を掻き立てた。

     

    (ΞιΞ)「乗車券を」

     

    駅員はこれまでにない人だかりの中で、淡々と業務をこなしている。

    偽造不可能と称される乗車券を確認し、客を一人一人見てから乗車をさせ、不審者が入り込まないよう細心の注意を払っていた。

    その補佐として、ジュスティア警察からも武装した警官が派遣され、様子を見守っている。

    実際はジュスティアとエライジャクレイグは契約関係にないため、このような事をする義理はない。

     

    だが、エライジャクレイグを利用するとスリーピースを通過しないという問題が発生する為、せめて乗車の際に不審な人間がいないかを確認する必要があった。

    ニクス・バーキンは最も高額な特別車輌を担当することになり、他と比べて楽な仕事に内心で大喜びをしていた。

    この高級車輌は他の寝台車とは違い、一両を個人の寝台として使う事が出来る。

    その為、金持ちしか利用できない事から人はまばらで、しかも行儀がいい。

     

    中途半端な金持ちは荷物を積み込めと命令をしたりするが、この車輌を利用する人間はそもそも大荷物を持ち歩かない。

    荷物は特別車輌に供え付いている巨大なスペースに置けばいいのだ。

    その日、スノー・ピアサーに一番の荷物を持ち込んだのは、ニクスが担当した客だった。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「荷物はどこに預ければいいのかしら?」

     

    最初、ニクスはその女性の美貌と美声に心を奪われたが、後ろに控えていた大型バイクを見て正気に戻った。

    見たことのないバイクだが、それが高級かつ普通ではないことはすぐに分かった。

    スタンドはおろか、誰も乗っていないのにバイクが自立しているのだ。

    かなりの大荷物を積載しながらも、まるでバランスが崩れる様子もない。

     

    スノー・ピアサーと同じように、多くの技術が使用されているバイクに違いない。

    そんな相手に無礼な真似は間違っても出来ない。

     

    (ΞιΞ)「あ、あちら……です」

     

    思わず上ずった声を出しながらも、彼は寝台車の後ろにある空間を指さした。

    これを果たして乗せられるか、それが心配だった。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう。

          じゃあ、またね」

     

    女性がバイクに手を振ると、バイクはゆっくりと走り出し、タラップを上って車輌に入って行った。

    誰も運転していないのに、とニクスは己が正気であることを確認する為、何度も瞬きをした。

    夢でも何でもない、現実だった。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「はい、三人分」

     

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    乗車券を三枚渡され、ニクスは一応人数を確認した。

    赤毛の女性と、ニット帽を被った少年が一人。

    特に問題はなさそうだった。

     

    (ΞιΞ)「では、どうぞ」

     

    半ば放心状態だったが、どうにか三人を車輌に案内することは出来た。

    一人で走るバイクというのがこの世にある事を知り、ニクスは己の見識の狭さを知った。

    規格外の金持がいるのと同じように、規格外の乗り物が存在するのだ。

    例えば、目の前にあるこのスノー・ピアサーもそうだ。

     

    強化外骨格という兵器を、まさかこうして交通の手段に変えるなど、誰も思いつきもしない。

    発想というのは人間次第でいくらでも広がり、実現するのだ。

     

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                 制作協力【全てのブーン系読者・作者の皆さん】

     

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    スノー・ピアサーの特別車輌の乗客には個室が割り当てられ、その広さは三人で過ごすには最適な広さだった。

    ホテルの一室、とまでいかないが、ベッドやシャワーがあるのは嬉しい。

    食事は食堂車輌に向かえばよく、特に不自由はしない。

    一般車両は二階建てで一両に八人が寝泊まりする為、この部屋よりも半分以下の広さしかない。

     

    一人旅であればそちらで十分だが、三人旅ならばやはり、この大きさの部屋が一番だ。

    一両を使い切る事が出来れば、人目を気にすることなく旅を楽しめる。

    更に、食事を内線で依頼することも出来る為、ブーンを迂闊に人目にさらさずに済むというメリットもある。

     

    (∪*´ω`)「おー」

     

    ニット帽を外し、ブーンはようやく一息つく事が出来た。

    彼は耳付きと呼ばれる人種で、人間の耳の代わりに垂れ下がった犬の耳を持っている。

    身体能力も人間離れしており、彼の耳と鼻、そして筋力は大人をも凌ぐものがある。

    部屋に入ってからすぐにローブの下で尻尾が揺れ、驚きと喜びが現れた。

     

    ノハ;゚⊿゚)「おおぉう!」

     

    ヒートも同じように驚きを口にした。

    外装に窓が存在しないが、部屋から外の様子は驚くほどに見える。

    壁があるはずの場所は透き通り、外の様子が全て見通せる。

    継ぎ目のない外の景色は解放感に溢れ、列車の旅を退屈なものにさせない。

     

    無論、外からは白い外装しか見る事が出来ない。

    これは強化外骨格の演算装置を駆使して作られた映像であり、スノー・ピアサーの特徴でもあった。

    一切の遅延なしに映像を同期させるこの技術は、デレシアの知る強化外骨格としての“スノー・ピアサー”の持つ力の一つだった。

    豪雪地帯での高速戦闘に特化して作られたスノー・ピアサーは本来、全身をこの列車のような装甲で覆い、高周波振動発生装置を用いて雪の中を苦も無く移動する。

     

    カメラが雪で覆われることを想定してスノー・ピアサーは全身に極小のカメラを取り付け、周囲の映像を使用者に見えるように工夫されている。

    それをここまで巨大な構造物に用いるとなると、相当な技術が必要になるはずだ。

    同じ技術自体は存在しているため、スノー・ピアサーを使う必要はないが、それでもかなりの金がかかっただろう。

    シャルラへの高速鉄道需要は確かに存在しているが、ここまで金をかける必要はあるのだろうか。

     

    採算を取る事の出来る算段があるからこそ、この列車を作り出したに違いない。

    ブーン達が部屋の中を見ている中で、デレシアは新聞が置かれているのに気付き、その見出しに眉を潜めた。

    内藤財団による、世界統一単位の発表。

    新聞を開き、目を走らせる。

     

    ζ(゚-゚ ζ「……」

     

    新単位は世界中で採用され、すでにほとんどの街で置換が始まっているらしい。

    ここまで唐突な発表にもかかわらず賛同者が大勢いるという事は、かなりの時間をかけて浸透させていたのだと分かる。

    業腹だがブーン達にも新単位を学ばせ、適応してもらうしかない。

    単位がヤード・ポンド法から切り替わるのは実に喜ばしい事だが、作為的な何かを感じる点が気に入らなかった。

     

    人間が自力でそれを導き出したのならばいい。

    それは人間の進歩であり進化である。

    しかし、偽りの進化は歓迎できない。

    今しばらく動向を見て、ティンバーランドの動きを予想しておいた方がいいだろう。

     

    芽吹く前に潰すのは容易だが、思いがけない場所に根を張っていると再び彼らが現れないとも限らない。

    潰すのであれば一気に、何もかもを、一切の容赦なく。

    いつまでも叶わない夢を見せる組織が再興することなどないように、徹底的に滅ぼさなければならない。

     

    ノパ⊿゚)「なぁ、ラヴニカについて訊きたいんだが、いいか?」

     

    ヒートの言葉で意識を切り替え、デレシアは答えた。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「私に答えられる範囲でならね」

     

    ノパ⊿゚)「いくつもギルドがあるって話だが、どこに持って行けばいいのかは分かるのか?」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「えぇ、棺桶の修理が一番上手い所に持って行くわ。

          ただ、あの街はちょっとギスギスしている事が多いから、そこがネックね。

          ま、どうにかなるわ」

     

    人が支配する組織である以上、やはり、衝突は避けられない。

    ラヴニカでは水面下での探り合いや衝突があり、死人がよく出る。

    観光客は護衛を生業としているギルドで腕の立つ人間を雇い、ガイドブックにない場所には決して近づかない。

    長生きをしたければそうするべきだし、街の情勢について無知なのであれば当然だ。

     

    ギルド同志の争いに巻き込まれないようにするためには、ギルドを知らなければならない。

    棺桶の修理を依頼することは、実際、ほぼ全てのギルドで行える。

    しかし、それをどこに持って行くのかによってその後が変わってきてしまう。

    格安のギルドに持って行けば、その商売敵が機嫌を損ねるし、高額なギルドを選べばそれを面白く思わないギルドが腹を立てる。

     

    目的によってギルドを慎重に選ばなければ、修理どころではなくなってしまう。

    閉鎖的な部分と開放的な部分が入り混じる街、ラヴニカ。

    混沌とした雰囲気の部分もあるが、常に活力に満ちているその街がデレシアは好きだった。

    群雄割拠、という点で言えばデレシアの故郷に似ていない事もない。

     

    以前までは一カ月以上の時間を要した旅も、スノー・ピアサーを使えば一週間もあれば到着するだろう。

    道中、何事もないことを願うばかりだが、ティンバーランドが何もしてこないとは思えない。

     

    ノパ⊿゚)「頼もしい限りだ。

        あんたがいて助かるよ」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「あら、私も貴女がいて助かってるわよ、ヒートちゃん。

          ブーンちゃんも、いてくれてとても助かるわ」

     

    (∪´ω`)゛

     

    気恥かしそうに頷き、ブーンは外の景色に目を向けた。

    どうやら、ここからの眺めが気に入ったようだ。

     

    ノパ⊿゚)「そういや、トラギコは大丈夫なのか?

        あいつ、あんたの事をずっと逮捕したがってたが、この列車に誰か呼んでないとも限らねぇだろ」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫よ、ああ見えて、結構律儀な人なのよ」

     

    もっと言えば、トラギコは律儀で愚直な男だ。

    かつてのジョルジュ・マグナーニがそうであったように、トラギコもデレシアを追おうとしているのは分かっている。

    それでも彼は、状況を読んで行動を切り替えるだけの自制心があった。

    ティンバーランドが如何に巨大な組織であるか、その断片を見ることになったティンカーベルでの一件により、トラギコは一時的にだがデレシアから目を逸らすことにしたのだ。

     

    味方であれば頼もしく、敵であればこれほど厄介な人間はそういない。

    彼は実に優秀な警官だが、優秀すぎることによる弊害で寿命を縮めなければいいのだがと、デレシアは切に思う。

    ジョルジュと同じ道を辿るのであれば、それは極めて悲しい話だ。

     

    ノパ⊿゚)「そういうもんかね」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「そういうものよ」

     

    その時、デレシアは車外に並ぶ一人の男に気が付いた。

    男の視線は正確にデレシアの方へと向いている。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「……あら」

     

    その男は、何も見えないはずの外装を通してデレシアの姿を見ているかのようだった。

     

    ( ゙゚_ゞ゚)

     

    オセアンで死んだと思っていた男が、そこに立っていた。

    “葬儀屋”と呼ばれる腕の立つ人間らしかったが、その実、ただの雑魚だったことをよく覚えている。

    しかしどうにも様子がおかしい。

     

    ノパ⊿゚)「あの男、知り合いなのか?

        ってか、こっちを見てるぞ」

     

    ζ(゚ー゚*ζ「オセアンのビルから落としたんだけど、生きてたみたいね」

     

    恐らく、運よくビルの下に停まっていた車にでも落ちたのだろう。

    高所からの落下の衝撃を車が吸収し、更には棺桶も装着していたことと相まって、彼の命を救ったに違いない。

    悪運の強い男だが、この場にいるのは果たして偶然か、それとも何者かが描いた必然か。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、面白くなりそうね」

     

    (∪´ω`)「おー」

     

    そして三十分後。

    定刻となり、オルゴールのチャイムが車内に響いた。

     

    『それでは発車いたします。

    皆さまのご協力、誠に感謝いたします』

     

    静かに、そして大きくスノー・ピアサーが動き出す。

    車輪が回り、巨大な車体が進みだす。

     

    『これより皆様と旅を共にするのは、ジャック・ジュノ。

    次の停車駅はジャーゲン。

    ジャーゲンに停車いたします』

     

    スリーピースを通り抜け、スノー・ピアサーは海岸沿いへと出た。

    空は青く、雲は白い。

    波は穏やかで風は微風。

     

    ζ(゚ー゚*ζ「ふふ……」

     

    デレシアははしゃぐ二人を見守りつつも、水平線の向こうに目をやる。

    そこにあるものを確かめるように。

    入道雲の果てに浮かぶ何かを見つめるように――

     

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                   これは、力が世界を動かす時代の物語

          This is the story about the world where the force can change everything...

     

                     そして、新たな旅の始まりである

                  And it is the beginning of new AmmoRe!!

     

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    ――ギルドの都、ラヴニカ。

     

    最盛期は数千のギルドでひしめき合っていた街だが、今はそれも落ち着きを取り戻し、数百のギルドに収まっている。

    街を束ねているのは複数のギルドの連合であり、彼らは街の利益のために決め事や祭事を行っていた。

    理外の一致こそが彼等にとっての最大の目的であり、対立や排除はとうの昔に超越していた。

    切磋琢磨し合う環境から生まれる様々な恩恵が街の発展を助長し、かつてあった排他的思考は消えつつある。

     

    ギルドの連合による不可侵の取り決め――ギルドパクト――は形を成し、百年以上の平安をもたらしている。

    しかし、街の中には今、対立の空気が生まれようとしていた。

    ギルドパクトを破らんとするギルドが現れ出したのだ。

    弱小のギルドが結束し、街の在り方を変えようと声を大にしているのだ。

     

    これがただの弱小ギルドだけであれば、雑魚の蒙昧と軽くあしらわれるのだが、扇動しているギルドが問題だった。

    最古参のギルドの一つ、“キサラギ”が先頭に立っているのだ。

    街の観光や交通を束ねるギルドが何故、そのような事を言いだしているのか。

    そして、何故今になって反旗を翻すような真似をし出したのか。

     

    その背後に内藤財団の影があることに、まだ、誰も気づいていない。

     

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                AmmoRe!!のようです

        Ammo for Rerail!!編  序章【Train of beginning -始まりの列車-】 了

     

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ページのおしまいだよ。。と