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第八章【intercept-迎撃-】

  1. 名前: 歯車の都香 2017/04/15(土) 21:20:00
    第八章【intercept-迎撃-】

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    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     

    In the flame if you hide a tree.

    木を隠すなら炎の中。

     

    In the water if you hide the flame.

    炎を隠すなら水の中。

     

    In the rain if you hide the water.

    水を隠すなら雨の中。

     

    In the storm if Hide rain.

    雨を隠すなら嵐の中。

     

    - Now, if you hide the mystery?

    ――では、謎を隠すなら?

     

                                      The last examination of detective

                                              【探偵試験最終問題】

     

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻

     

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    .     ,.-

         i|三li:.. ,..-- 、       ,..--

         i|三liil三三|ヽ       .;|三三|i        _____

         i|三lii|三三|iiii|;..     ;;i|三三|i==lニニニl=i|____

    _二二二二lミi|三三|iiii|iil    ;;i|三三|i ェェェェェェi|┌┌┌┌

    ==========i|三三|iiii|ii|    |iii|三三|i ェェェェェェi|┌┌┌┌

    ==========i|三三|iiii|ii|    |iii|三三|i ェェェェェェi|┌┌┌┌

    ==========i|三三|iiiiレ     キ.|三三|i ェェェェェェi|┌┌┌┌

    ==l⌒l=====i|三三レ'     .'i|三三|i ェェ.il==li i| ┌──

               ‥…━━ August 6th AM08:06 In the 3rd block ━━…‥

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     

    それは希望と恐怖が混在した、矛盾した空気だった。

    蜂蜜とワインビネガーをあえたピクルスのような、気持ちの悪い空気だ。

    すれ違う人間の顔に浮かぶ表情は、釈放された直後の犯罪者のそれに近い。

    何度も間近で見た光景と感じ取った空気に、理由はすぐに分かった。

     

    自由に対して、不安を持っている状態。

    周囲を気にしながら歩き、目に入る娯楽と呼ばれる物に身を委ねたいのだろうが、その一歩が踏み出せないのだ。

    彼らは今、自由に対してわずかな恐怖を感じているのだ。

    あらゆる自由には少なからず危険が潜んでいることに気付いた、と言い換えてもいいだろう。

     

    安全が約束されている不自由に限り、不自由は精神安定剤に転じる。

    今回の事件は、それをより強く人々に認識させることとなった。

    突如として起きた連続殺人を深刻に捉えたオアシズ上層部は最高レベルの警報、ハザードレベル5を発令。

    全ブロックでは特定の時間帯のみ外出が許され、他ブロックへの移動は禁止とされた。

     

    それがオアシズで与えられた不自由、そして安全の正体だ。

    そして、安全が確認されたことをきっかけに、第三ブロックの人間だけが自由を得た。

    だが、ショウウィンドウを眺める目も、アイスクリームの屋台に向ける視線も、全てが疑念の色を帯びている。

    あれだけの犯行をしておきながら、依然として捕まらない犯人を相手に翻弄される警察と探偵。

     

    彼らの仕事ぶりを見れば、疑心暗鬼になるのも無理はない。

    彼らの懐や腰で出番を待つ銃が、何よりの証拠だ。

    それでいい。

    安全だと言われたとしても、武器の携帯は基本的にするべきだ。

     

    腕力を気にせずに自分の身を守るためには、銃は最高の物だ。

    通りすがりの中には稀に棺桶――軍用第三世代強化外骨格――を背負った者もおり、中には大型のCクラスを運んでいる者までいた。

    常識的に考えると、棺桶は基本的にサイズが大きければ大きいほど、強力な武装と装甲を持つ傾向にある。

    が、サイズが大きければ強いと言う訳でもない。

     

    サイズ差はあくまでも装甲の厚みと攻撃力の問題であって、後は棺桶持ちの技量次第だ。

    中にはAクラスでCクラスの棺桶を圧倒するものもある。

    要は使い方一つ。

    世間に出回っている武器と何一つ変わらない。

     

    使い方さえ分かれば、老若男女、誰でも人を殺すことの出来る武器は人類の偉大な発明だ。

    しかし、この張りつめた状態とその発明品の組み合わせはあまり好ましくない。

    武器を持った人間は常に緊張の糸を張り巡らせており、それが僅かな刺激で切れることもある。

    乗客の誰か一人が始めれば、それはすぐに飛び火して船内で殺し合いが始まる。

     

    そうなれば、犯人が直接手を下さなくとも大量の死人が船に溢れかえる。

    人の精神は案外脆く、ちょっとした拍子ですぐに理性のブレーキが壊れる事を、トラギコ・マウンテンライトはよく知っている。

    誘拐された少女が犯人に恋をすることもあるし、普段は紳士的な行動がどうのとか言っている人間が、災害現場で我先にと駆け出すこともある。

    被災した街で暴動が起こり、強姦事件が多発するのはそう云う訳だ。

     

    恐らくそれが起きないでいられるのは、市長がこのブロックに警備員と探偵達を集中させたからだろう。

    秩序を守る存在が大量に集まれば、人は自ずとそれに従う。

    第三ブロック解放は早計な気がしないでもないが、やり方は間違えていない。

    流石に市長として働いているだけあって、大胆な行動力と計画力がある。

     

    一人先に乗船したトラギコは、第三ブロック一階の歩道を歩きながら周囲を観察していた。

    活気と呼んでいいのか分からない微妙な空気の漂う第三ブロックの天井を見上げ、溜息を吐く。

    ビル群から青空を見上げているよりもずっと狭苦しい場所だが、いい船だと思う。

    不可能なのは知っているが、出来れば、平時の時にこの船に乗り合わせていたかった。

     

    これだけの豪華客船に乗っておきながら、仕事のせいでその醍醐味を味わえないのは高級料理をガラス越しに眺めるようなもの。

    今のトラギコが少しでもオアシズでの生活を楽しむには、方法は一つしかない。

    早急にこの事件を解決することだ。

    そうすれば、トラギコは船が次の場所に着くまでの間、ゆっくりと船旅を楽しめる。

     

    普段から経費削減を言われ、領収書の中身にまで文句を言われる毎日の中、これぐらいの贅沢を楽しんでも罰は当たらない。

    平均的な警察官の半分以下の年休しかないために、旅行などしたことがない。

    給料は安いし過酷な労働環境だが、それでも、トラギコはこの仕事が天職だと心から言えるほど大好きだった。

    事件、特に難事件が大好物だからだ。

     

    女や洒落た趣味なんかよりも、よほど魅力的で有意義な時間が約束される。

    人を殺して自分だけ助かろうと思い、足りない脳味噌を必死に回転させて考え付いたトリックの数々。

    丁寧に積み重ねられたそれは、高級料理の調理工程によく似ている。

    下ごしらえをする様に計画を組み上げ、ソースを作る様に環境に合わせて計画を調整し、食材を刻む様に人を殺し、盛り付けるように事後処理をする。

     

    そうして最後に召し上がれ、と云う訳だ。

    トラギコが楽しみなのは惨たらしい死を遂げた人間の末路を見る事ではなく、犯人の思いを踏み躙ることだ。

    愚かな思惑を打ち砕き、真実と呼ばれる事件の真相を知ることはこの上ない快感だ。

    希少な珍味が比喩し難い味を持っているのと同じように、難事件は希少価値の高い馳走、あるいは極上の蒸留酒だ。

     

    それに遭遇できれば、三年は気持ちの良いまま過ごせる。

    その点で言えば、デレシアに出会ってからは感謝の気持ちが絶えない。

    彼女を追えば、必ず歯応えのある獲物にありつけた。

    オセアンから始まり、フォレスタ、クロジング、ニクラメンでも楽しませてもらった。

     

    これまでに数千人の犯罪者と数万人の人間を見てきたからこそ、断言できる。

    デレシアは別格の人間だ。

    トラギコが生きている間に彼女の代わりは見つからないし、彼女を越える人間は現れない。

    その姿を一度見失ってしまえば、彼女の足取りを掴むのは困難を極めるだろう。

     

    今回は偶然にも彼女の足跡を辿れたが、次に見逃したらもう見つけられないかもしれない。

    デレシアに対する思いを募らせながらも、トラギコはオアシズで起きた事件解決に向けて意識を集中させていた。

    当然のことだが、複雑な仕掛けを施した事件を相手にするのは初めてではない。

    だからこそ分かる。

     

    今回は、タイミングを逃してはならないと。

    食べ頃がある事件なのだと、概要を聞いただけで分かった。

    まず、被害者に共通点が無い事が理由の一つだ。

    大抵の犯人は凶器や殺し方に共通点があるものだが、この事件では全てがばらばらだ。

     

    第一被害者ハワード・ブリュッケンの丹念な殺しに比べて、第二の現場となった警備員詰所では虐殺に近く、第三被害者に至っては毒殺だ。

    この違いにこそ意味があると、トラギコは考える。

    犯人の狙いは、誰かを殺すことだ。

    殺す過程に快楽を感じるためではなく、人が混乱している様子を楽しむことでもない。

     

    殺すことで得られる利益が目的の可能性が非常に高い。

    無論、それを装っている可能性もある。

    疑えば疑うほど事件を必要以上に複雑に感じる時があるが、そんな時、トラギコは常に自分の直観に従ってきた。

     

    (=゚д゚)「……ん?」

     

    不意に、トラギコの鼻が香ばしい香りを嗅ぎつけた。

    どこからか漂ってくる、料理の匂い。

    肉、小麦粉を油できつね色になるまで焼いたような香りだ。

    ここまで濃厚に漂うということは、換気扇を備えている店舗型ではありえない。

     

    屋台だ。

    どこかの屋台が、この犯罪的に美味そうな匂いを漂わせているのだ。

    途端に、猛烈な空腹に襲われた。

    一度意識してしまうと、もう我慢できない。

     

    切なそうに腹が音を立て、自己主張をする有様だ。

    味噌汁と紅茶だけしか胃袋に入っていないことを思い出し、懐から古びた財布を取り出して中身を確認する。

    細かい硬貨を合わせて、七十五ドル。

     

    (=゚д゚)「……いけるか?」

     

    ハザードレベル5の発令に伴い、乗客はオアシズでの飲食は無料と言われている。

    だから金の心配はしていないが、万が一の場合がある。

    そもそも招かれてもいない客として乗っている身分に、それが適応されるかどうかも分かっていないのだ。

    訊きそびれた自分が悪いのだが、あの場の空気では流石にそんな事を口に出せない。

     

    匂いを辿って歩を進め、第三ブロックの中央に位置する公園にある噴水の前に、それらしい屋台の一団を見つけた。

    一団は別々の料理をその場で調理し、陳列し、販売している。

    アイスクリーム、焼きそば、クレープなどだ。

    客はそこそこ来ているが、一か所だけ奇妙な隙間があった。

     

    これだけの芳香を漂わせている店にだけ、客が一人も寄りついていないのだ。

     

    ( `ハ´)

     

    店主は特徴的な細目で、黒い髪を前髪ごと後ろに流して一つに束ねた髪型をしていた。

    顔だけを見ればやせ形に思われそうだが、黒い半袖のシャツから覗く筋肉が只者では無い事を物語る。

    首の太さも、格闘技を経験している者に共通しているそれだった。

    放つ雰囲気は鋭く、堅気の世界で生きている人間で無い事は明らかだ。

     

    (=゚д゚)「おい兄ちゃん」

     

    ( `ハ´)「……何か用アルか」

     

    見た通りの無愛想だ。

    見た目の通り、声にも若さが聞き取れる。

    三十代前半か二十代後半。

     

    (=゚д゚)「それ、何ラギ?」

     

    ( `ハ´)「餃子」

     

    一言で会話が終了した。

    素晴らしい。

    店主とはこれでいいのだ。

    飯屋は寡黙が一番。

     

    不要な会話をする店主は嫌いだった。

     

    (=゚д゚)「焼き立てを二つ、それとビールを大ジョッキで」

     

    ( `ハ´)「七百ドル」

     

    (;=゚д゚)「あぁん?! 手前、ここに一つ三ドル、ビールは一ドルって書いてあるラギ!!」

     

    思わず冷静さを欠いた反応をしてしまったトラギコに対し、店主は冷笑を浮かべて答えた。

     

    ( `ハ´)「じゃあ七ドル」

     

    (#=゚д゚)「俺を馬鹿にしてるラギか?」

     

    ( `ハ´)「冗談アル」

     

    この店主、無愛想ではない。

    人間性に問題があるのだ。

    冗談にしてもセンスの欠片すらない。

    本心から冗談で済ませようと思うなら、それなりの反応があるはず。

     

    なのに、冷笑とは何事だろうか。

     

    (#=゚д゚)「七ドルだな?」

     

    ( `ハ´)「……」

     

    財布から七ドルを出そうとしたが、細かい金がなかった。

    そしてそこで気が付いた。

    船内での買い物は、全て乗船券を兼ねたカードで済ませる事になっている。

    当たり前の話だが、トラギコは乗船券を所持していない。

     

    まさか。

    この店主。

    こちらが非正規の客であることを察して、試したのだろうか。

    オアシズに乗るには乗船券が必須。

     

    その乗船券を持っていない人間となると、この船にとっては歓迎しない存在だ。

    つまり、サービスを提供してもしなくてもいいだけでなく、怪しまれて然る存在でもある。

    非常時の際に部外者を疑うな、と言う方が無理だ。

    そしてこの店主は、トラギコが非正規の乗客であることを見抜いているに違いなかった。

     

    トラギコが乗船券を持っていない人間であることに気付いたからこそ、いきなり金を請求したのがその証拠だ。

    店員としてあるべき姿としては、カードの提示もしくは無料である旨を伝えるのが道理。

    自分の推理に絶対の自信を持っていなければできない会話だったのだ。

    恐ろしいほどの観察眼だ。

     

    警察にぜひ欲しい人材である。

    それに、この船での食事が七ドルで済むのであれば、安いぐらいだ。

     

    (;=゚д゚)「……っ、ぐぬ」

     

    ( `ハ´)「……」

     

    財布から十ドル硬貨を取出し、店主に差し出す。

    釣りを出されない可能性を考え、トラギコは最後に一つ付け加える。

     

    (;=゚д゚)「ビールを特大ジョッキにしてくれ」

     

    これで丁度十ドルだ。

     

    ( `ハ´)「……」

     

    店主は無言のまま顎でカウンターを指した。

    そこに硬貨を置けという意味だ。

    トラギコは渋々それに従い、金を置いた。

    男は鉄板の上で焼いていた餃子をパックに詰め、カウンターの上に積み重ねていたパックの上に乗せた。

     

    それを取ろうとした時、男が鉄製のヘラでその手を制した。

    疾い。

    これがナイフだったら、トラギコの手首から先は地面とハイタッチしていたはずだ。

    油断していたと云うのは言い訳にしかならない。

     

    戦闘の技量で言えば、トラギコを上回っている。

    この男、一体何者なのだ。

     

    (;=゚д゚)「何のつもりラギ?」

     

    ( `ハ´)「焼き立て注文したアル」

     

    そう言うと、男は新たな餃子を鉄板の上に並べて焼き始めた。

     

    (=゚д゚)「……そうかい」

     

    意外と律儀な性格をしているようだ。

    仕方なしに待つ事になったトラギコは、噴水の傍にある木製のベンチに腰掛けた。

    背中から聞こえる噴水の音を無視し、トラギコは意識を男に集中させる。

    男の動作を改めて観察してみると、屋台経験は短いという印象を受けた。

     

    接客態度もそうだが、全体的に、慣れている様子がないのだ。

    まだどこか不慣れな動き。

    餃子を焼くことには慣れていても、売ることには慣れていない。

    怪しい。

     

    容疑者の一人として、トラギコは頭の中に男の人相を記憶した。

     

    (=゚д゚)「んや?」

     

    項の毛が、ピリリと反応を示した。

    何かよくない物が近くにある、もしくは起ころうとしている。

    視線を周囲の物陰に向け、索敵を行う。

    約五十ヤード先、トラギコの正面に、それはいた。

     

    その体躯はずっしりとした岩石を思わせ、手と顔に刻まれた皺と傷はその人生の壮絶さを雄弁に物語る。

    楽な人生。

    ぬるま湯の生活。

    平和な暮らし。

     

    明らかに、そう云ったものとは無縁の人間の体だ。

    上瞼から下瞼にかけて走る大きな傷は、鋭利な刃物とは真逆の物でつけられたに違いない。

    開かれた黄金瞳は純金よりも鈍く、月よりも優しく、宝石よりも輝く獣のそれに酷似している。

    皺のない白いボタンダウンのシャツの上に羽織る黒のジャケット。

     

    首の太さ、そして耳の形は格闘技を経験した人間独特のもの。

    後ろに撫でつけたオールバックの黒髪。

    歳は六十代後半。

    一目で、人を殺したことのある人間だと断言できる姿をしていた。

     

    ( ФωФ)「……」

     

    (;=゚д゚)

     

    男のした行動は、ただ、トラギコの前を歩いただけ。

    それも、五十ヤードは離れた場所を悠然と歩いているだけだ。

    それだけで、トラギコは呼吸を止めてしまっていた。

    あの男の前では迂闊な言動が命取りとなると、断言できる。

     

    一瞬の事だったが、トラギコはすぐさまその男を容疑者の二人目として、人相を記憶。

    すぐさま男を尾行することにした。

    ベンチから立ち上がり、屋台の前を小走りに横切る。

    極力近寄りたくないが、この際仕方がなかった。

     

    悟られないギリギリの距離を保ち、そこから監視するしかない。

    いきなり尋問などしようものなら、縊り殺されるかもしれないからだ。

    あれは猛獣の類だ。

     

    ( `ハ´)「どこ行くアル?」

     

    屋台を通り過ぎた辺りで、トラギコの背中に無愛想な声がかけられた。

     

    (=゚д゚)「手前にゃ関係ねぇラギ」

     

    ( `ハ´)「それ駄目アル。

         お金貰ったら、私は商品渡す義務有ル。

         行かせないアルよ」

     

    どうしてこう、変な所でこの男は義理堅いのだろうか。

    普通の屋台の人間なら、ただで金を手に入れたと喜ぶところだ。

    横目で先ほどの男を探すが、もう、視界の中にはいない。

     

    (=゚д゚)「……後どれぐらいかかるラギ?」

     

    ( `ハ´)「三分」

     

    (=゚д゚)、「ちっ、分かったラギ」

     

    今更追ったところで、男を見つけられる確証はない。

    どうせ、男の移動できる範囲は第三ブロックに限られているのだ。

    トラギコは観念してベンチに戻り、餃子を待つことにした。

    丁度近くを通りがかった新聞販売員のカートから、世界規模の情報を載せている“モーニングスター新聞”を一部引き抜いた。

     

    一昨日、つまり八月四日の日付だった。

    新聞の一面を飾っているのは、やはり、まだニクラメンが地図上から消えてなくなったことについてだ。

    世界中からトレジャーハンターギルドが集まり、海底に沈んだ街から金品を引き上げ、時折死体も引き上げているとのことだ。

    死体を引き上げているのは善意だと主張しているらしいが、遺族からの感謝料を目的にしているのだろう。

     

    ニクラメンの名を聞くと、ワタナベ・ビルケンシュトックや、ギコ・カスケードレンジと出会った時の記憶が蘇る。

    不完全燃焼の謎だけを残した事件は、結局、海の底だ。

    あの時に会った彼らとは、また会うような気がする。

    出来ればワタナベとはもう出会いたくないが。

     

    紙面を捲り、二面に掲載されている世界情勢を見る。

    西の土地にある三つの街が合併し、一つの大きな街となった事が二面全てを使って書かれていた。

    カルデとコルフィ、そしてファーム。

    それぞれの位置関係が書かれた地図を見ると、新たな街の大きさはオセアンの二倍ほどになる。

     

    かなり大きな街だ。

    元々、三つの街はコーヒーの産地として有名だったが、これを機に世界屈指のコーヒーの街になるのは間違いない。

    誕生した街の名は、“カルディコルフィファーム”。

    そして、市長は内藤財団とあった。

     

    それは異例の事ではなかった。

    企業が街を支配し、市長として機能した前例は幾つかある。

    ただし、一つとして成功した例はない。

    企業内での権力争いと不景気の影響をもろに受けるため、長持ちしないのだ。

     

    だが、内藤財団の経営力と経済力は世界随一だ。

    オセアン復興に着手した事も含めて考えると、世界各地の街を統治し、更なる事業拡大を狙っているのだろう。

    記者の意見ではオセアンでの実権を手に入れたことに伴い、コーヒーの安価な輸出入を可能にし、利益を上げるのではないだろうか、とのことだった。

    確かに、カルディコルフィファームは海から遠くはないが、どちらかと云えば山に囲まれた盆地にある。

     

    三つの街を一つにしたことで、港に最も近い街にコーヒー豆を集めて一度に送り出せる。

    陸運にかかるコストが安上がりで済むため、それもまた利益につながる。

    陸路を通じて港に運び、そこから船で東のオセアンに向かう。

    港も船も全てが自社の物であるため、格安で高価なコーヒー豆の取引が出来るのだ。

     

    西側で盛んな貴金属市場に手を付け始めているとの噂が本当だとすれば、近い内に貴金属の取引にも手を出すだろう。

    経営者は慎ましく貪欲であれ、とは企業の依頼でトラギコが逮捕した会計管理者の言葉だ。

    新聞を畳み、それを膝の上に乗せる。

    トラギコは振り返り、噴水の真ん中に立つ巨大な時計を見上げる。

     

    店主の言葉から、三分が過ぎようとしていた。

     

    (=゚д゚)「……」

     

    屋台の男と、先ほどの人相の悪い男を除くと、現在手元にある疑わしい人間は五人いる。

    第一ブロック長、ノレベルト・シュー。

    第二ブロック長、オットー・リロースミス。

    第三ブロック長、ノリハ・サークルコンマ。

     

    探偵長“ホビット”。

    市長、リッチー・マニー。

    彼らの内、誰かがこの事件の鍵を握っているはずだ。

     

    ( `ハ´)「お待ちど」

     

    (;=゚д゚)「のっ! お、おう」

     

    視線を戻した先にいた店主の手には、餃子の入ったスチロール製トレイが二つと、ビールの特大ジョッキがあった。

    それを受け取ると、店主は屋台に戻った。

    気を取り直してから、トラギコはまず餃子を食すことにした。

    手元から立ち上る湯気と香りが食欲を刺激してやまない。

     

    ベンチの傍らにジョッキとトレイを一つ置き、もう一つのトレイを膝の上に置く。

    トレイに添えられていた割り箸を口で咥えて、二つに分ける。

    一つのトレイに五つの餃子が乗っており、調味料は一切見当たらない。

    そのままの味で勝負をしているらしい。

     

    半月型の餃子を箸で一つ摘まんで口に運び、一口で食べる。

    火傷しそうなほど熱い汁が、中から溢れた。

    野菜と肉から出た汁の味は熱すぎてよく分からないが、美味いのは確かだ。

    空気を口の中に取り入れて冷ましながら、餃子を咀嚼する。

     

    肉汁の甘い香りと濃厚なニラの香りが鼻から抜け出る。

    口の中が火傷しないように、すかさずビールを口に含む。

     

    (*=>д<)。゚「くぅあっ!!」

     

    そして、トラギコは腹から湧き上がる食欲に身を任せ、次の餃子に箸を伸ばしたのであった。

    トラギコは予期することが出来なかった。

    この後に起こる事態を。

    この時は、まだ。

     

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     /  }    ,′  i _,=-‐ァナ´ |     ./ T7=ー ハ  |  ヽ   ト、

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        ,′          i 7´「`ヽヽ.|  /}/   //::::`、`ヽ j     i  |

    .   / /       N{  ,_,ノ  :.  |/       ,_ノ   :.ハ∨  j   j !

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               ‥…━━ August 6th AM10:30 In the 1st block ━━…‥

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    全身が心地よい疲労感に満たされていた。

    打撃に必要な筋肉を意識的に鍛えるためにサンドバッグを相手に繰り出した拳は、五千以上。

    その後に行った腕立て伏せ数百回などによって、腕に力が入らない。

    また、蹴り技の取得に伴う脚力の向上とトレーニングで、足腰は別物のように動かなかった。

     

    甘い毒を注入されたように痺れて動かない四肢。

    リングの上に汗だくで大の字に倒れ、荒い呼吸をしながらも、達成感に笑顔が浮かぶ。

    垂れた犬の耳と丸まった犬の尻尾を持つ少年は、自分を見下ろす女性の肌に汗一つ浮かんでいないことに気付いた。

    自分と全く同じトレーニングを横でこなしていたのに、と驚く。

     

    微笑を浮かべる女性には狼の耳と尻尾があり、慈母の様な柔らかな感情を湛えた深紅色の瞳は、少年の深海色の瞳の奥を見つめていた。

    気恥ずかしそうに笑顔を浮かべた少年はブーン。

    それを無言で見つめる二十代半ばと思われる女性は、ロウガ・ウォルフスキン。

     

    !, __ ,/{

    i、゚ー ゚イ`!「どうだ? 流石に、もう動けないだろう?」

     

    (∪´ω`)「はい、ししょー」

     

    i^ ^イ`!「ならば風呂にしよう。 筋肉をほぐし、次の鍛錬に備えようか」

     

    (∪´ω`)「ししょー、でも、ぼくうごけなさそうです」

     

    この状態では、風呂場まで這っていくのも難しい。

    指の力だけで這うにも、手は拳を形作ったまま開かない。

     

    i、゚ー ゚イ`!「ん? 私が君を運べば何も問題はないだろう。

          さ、行くぞ」

     

    有無を言う間もなく抱きかかえられ、風呂場に連れて行かれた。

    早朝の時と同じように汗を洗い流した後、湯船の中でロウガにマッサージを教わった。

    ロウガに背中を預け、肩越しに彼女の手がブーンの太腿や脹脛をもみほぐした。

     

    i、゚ー ゚イ`!「次からは自分でやるんだ、いいな?」

     

    *∪´ω`)「わかりました、ししょー」

     

    体を後ろから押さえつけるロウガの手は力強かった。

    腕から足まで愛撫するように撫でさすり、指圧するロウガの指は優しい。

    筋肉が緩和し、力が徐々に回復する感覚が湧き上がる。

    緊張から解き放たれ、瞼がゆっくりと落ちる。

     

    トレーニングの最中、幾つかもらったアドバイスを思い出す。

    踏み込みは静かに、だが力を込めるタイミングを誤らない。

    拳は常に固く握る必要はなく、最もリラックスした状態で維持。

    衝撃の際にのみ拳を形成し、速度を意識して抉りこむようにして打ち込む。

     

    そうすれば、素早い攻撃が可能となる。

    殴り合いの喧嘩に発展する前の先制攻撃としては、十分な威力があるとのことだ。

    鼻先を狙うか顎の先端を狙うのが効果的で、先手を打つのであれば腹部。

    大の男が敵となれば、金的を狙うのもありだそうだ。

     

    これまでのパンチと、今のパンチは明らかに形、そして威力が違っている。

    それが自覚できるレベルにまで変わった。

    向上した、と言った方がいいだろう。

    更に、護身に必要な技まで教えてもらえたことで、それを実際に使ってみたいという初めての欲求が生まれていた。

     

    i、゚ー ゚イ`!「筋は悪くない。 後は、実戦での経験だ。

          人を殴ったり、殺したりした経験は?」

     

    (∪´ω`)「……ありませんお、ししょー」

     

    まともに殴ったことも蹴ったこともない。

    強いて言うなら、腕を噛み千切ったぐらいだ。

     

    i、゚ー ゚イ`!「だろうね。 そんな雰囲気をしている。

           覚えておきなさい。 誰かを傷つけて自分を守る時は、遅かれ早かれ必ず来る。

           この世界を生きていくのなら、これは避けて通れない道だ。

           その時が来たら、何があっても躊躇ってはいけない。

     

           しかし君は怖いほどに優しすぎるから、躊躇ってしまうかもしれないな。

           それがいいんだがね」

     

    (∪´ω`)゛「お?」

     

    i、゚ー ゚イ`!「さ、汗を流したら次は戦い方を身に付けよう」

     

    (∪´ω`)゛「はいですお、ししょー」

     

    そう返事をすると、耳元でロウガが嬉しそうな声色で囁いた。

     

    i、゚ー ゚イ`!「……ふふふ。 素直で大変よろしい」

     

    (∪´ω`)「あの、ししょー?」

     

    i、゚ー ゚イ`!「ん?」

     

    (∪´ω`)「あるじさんって、いまはどこにいるんですか?」

     

    解放されているのは第三ブロックだけであることから、ロウガが主と呼ぶ人物はこの部屋の中にいるはずだ。

    だが、まだ一度もその姿を見ていない。

    むしろ、存在自体を感知していない。

     

    i、゚ー ゚イ`!「あぁ、主ならこのブロックにいない。

          主は第三ブロックにいる」

     

    ロウガから得た情報を元に考えると、主と呼ばれる人物はハザードレベル5が発令されてから部屋を出て行った事になる。

    ハザードレベル5はブロックだけでなく、部屋の扉までも完全に封鎖するもので、部屋への出入りは自由には出来ない。

    また、そうなる前にブロック中の人間を部屋に戻させたとも言っていたので、一度はこの部屋にいたはずなのだ。

    だがしかし主が第三ブロックにいるには、二つの方法がある。

     

    一つは、ハザードレベル5が発令される前に第三ブロックにいて、発令後もそこに隠れていたか。

    もう一つは、外出許可が下りている時間帯にブロック間の移動をしたか、だ。

    どちらか一つに可能性を絞った質問をすると、答えてもらえないかもしれない。

    ブーンはどちらでも答えられるよう質問を考え、口にした。

     

    (∪´ω`)「どうやったんですか?」

     

    i、゚ー ゚イ`!「ふふ、方法は主にしか分からないさ。

          私が命じられたのは君をこの部屋で持て成し、そして鍛えることだ」

     

    どうしてそのような命令をロウガにしたのか、ブーンは分からなかった。

    ひょっとすると、ブーンの知る人物なのかもしれない。

    無駄だとは思うが、一応、ブーンは尋ねることにした。

     

    (∪´ω`)「ししょー、あるじさんのなまえって……」

     

    i、゚ー ゚イ`!「隠す必要はないと言われたが、教えない方が君のためかもしれないな」

     

    (∪´ω`)、「お……」

     

    i、゚ー ゚イ`!「教えてもいいが、条件がある」

     

    *∪´ω`)「じょーけん?」

     

    i、゚ー ゚イ`!「風呂上がりに一試合、実戦訓練をしよう。

          そこで私に触ることができれば、教えてあげよう」

     

    思わず、尻尾が揺れるのが分かった。

    戦える。

    そして、勝てば知らないことを知ることが出来る。

    それは何よりも嬉しい提案だった。

     

    i、゚ー ゚イ`!「おいおい、くすぐったいな。

          喜ぶのは、試合で勝ってからだ」

     

    (∪´ω`)「お」

     

    i、゚ー ゚イ`!「さ、出よう」

     

    そして、二人は風呂から上がって新しい服に着替えた。

    冷蔵庫でよく冷やされた水をグラス一杯飲み、体から失われた水分を補給する。

    その後、ブーンには瓶に入った牛乳が与えられた。

    成長盛りの子供は牛乳をもっと飲むべきだ、とロウガに言われてブーンは瓶三本分を飲んだ。

     

    ロウガからの指摘で、風呂上がりに柔らかくなった手足の爪を切ると、とてもさっぱりとした気分になった。

    それから、ロウガはタンクトップとスパッツ、ブーンは半袖のシャツとズボンに着替え、再びトレーニングルームに移動した。

    リングの上に上がり、柔軟体操を行う。

    多少は緩和されたが、まだ四肢は重りをつけているかのように鈍い。

     

    拳を痛めないようにと、ロウガが巻いてくれたテーピングはいい具合だ。

    二人とも靴は履かずに、素足の状態だった。

     

    i、゚ー ゚イ`!「さて、ブーン。 実戦では、常に万全の状態で戦いが始まることは稀だ。

          油断、疲労、精神的疲労など様々な要因が付き纏う。

          例えば今、君は精神的に少々の不安があり、体力的にはかなりの負担が掛かっている。

          その状態でも戦えるよう、今から私と一戦する。

     

          ルールはシンプルに、何でもありだ。

          殴るのも蹴るのも頭突きも、好きに使っていい。

          私はハンデとして両腕を使わないが、私の使うゴム製のナイフに触れれば君の負け。

          君が勝つには、私の足以外に触れればいい。

     

          ……始めようか」

     

    突如として始まった訓練。

    ブーンの体は合図とほぼ同時に動いた。

    その理由はおそらく、ロウガから発せられる雰囲気だろう。

    殺気に限りなく近い闘気。

     

    僅かな油断が大怪我を招くことが一瞬で分かった。

    関節の鈍い痛みと疲労感を取り去ることは無理だが、ロウガに教わった事を意識しながら動くことは可能だった。

    まずはリラックスし、攻撃を読ませない。

    そして、近接戦闘では動き続けることが重要だとも教わった。

     

    初手としてブーンが選んだのは、バックステップ。

    距離を置こうと動いたブーンだったが、ロウガはたった二歩踏み出すだけで、それを無意味にした。

    両腕を胸の前で組み、自然体でブーンのすぐ目の前にいる。

    触れれば勝ちという勝負。

     

    勝ちを欲するあまり、ブーンの体が動いてしまった。

    腕よりも離れた距離に攻撃できる左回し蹴りを放つ。

    その蹴りを、ロウガは一歩も動かずに右足の裏で止めた。

    これが勝ちを意味しないのは分かっている。

     

    ブーンの攻撃は防がれたのだ。

    身を守る術の基本を体に叩き込まれたブーンは、その状態がロウガによるテストなのだと気付いた。

    足の裏で防がれた攻撃に対して、ブーンは前に進んだ。

    両手が塞がっている以上、上半身への攻撃は当たりやすいはずだ。

     

    前蹴りを放とうとした瞬間、ブーンは天井を見ていた。

    何が起こったのか理解する間もなく、リングの上に背中を強打する。

     

    i、゚ー ゚イ`!「遅い。 君の攻撃は全て私が教えたものだ。

          私にそう簡単に通じるはずがないだろう?

          攻撃に工夫するか、速度を上げるんだ」

     

    攻撃に合わせた足払いだ。

    攻撃が形になる瞬間こそ、打撃戦で人間が最も油断する時だとロウガは言っていた。

    それがこの事だと、やっと理解した。

    まだナイフを使われていないことを考えると、これでも手加減されている。

     

    しかし気になるのはナイフの使い方だ。

    両手を使わないのに、どうやってナイフを使うのだろうか。

     

    i、゚ー ゚イ`!「まだ訓練は終わっていないぞ」

     

    ;∪´ω`)「はい!」

     

    起き上がり、ブーンは再びロウガに向かって行った。

     

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               ‥…━━ August 6th AM11:20 In the 3rd block ━━…‥

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    ベッドの上に腰掛けてから、何もしないまま時間が経過していた。

    脇に置かれた小さな机の上には、冷めたコーヒーと無線機。

    そして、一挺の拳銃。

    腕時計の秒針が立てる音が、やけに大きく聞こえる。

     

    左腕の時計を見た時、時刻は十一時二十分丁度だった。

    とうとう、残り五分となった。

    全てが動き出すまでに出来ることはやった。

    しかし足りなかった。

     

    殺すはずのデレシアは見つからず、その手段も同様だ。

    マニーとデレシアによって、計画が一部計画通りでなくなってしまった。

    他の者にとっては些細な事だろうが、小さな見逃し、些細な失敗が取り返しのつかない事態に発展する。

    それを知らない人間が多いが、それに甘えるわけにはいかない。

     

    こうなったら、デレシアを殺すタイミングをずらすか、諦めるしかない。

    元々、こちらがいらぬ用心のために殺そうとしていたのだ。

    警戒だけさせておくのも一つの策と言える。

    デレシア達の注意が別方向に向いているだけでも、成功だ。

     

    全ては一つの瞬間のために用意した下地。

    不要とも言える演劇、目を欺くための茶番劇。

    それがこの船で起こした全ての事件の正体だ。

    茶番劇と言える簡単な事件ですら気付けなかった探偵たちには、それすらも分からないだろう。

     

    情けない。

    本当に、情けない。

    彼らが愛して止まない物を。

    彼らが期待して止まない物を用意してやったというのに、誰も食い付かなかった。

     

    触れる事すらできず、眺めているだけで終わった。

    これが情けなくて、何と言うのだろう。

    何のための探偵だ。

    凡人には解決できない事件に対して真っ向から、そして全身全霊を持って取り組むのが彼らのはずだ。

     

    それは幻想だったというのか。

    それは妄想だったというのか。

    それは幻影だったというのか。

    やはりこれが現実だというのか。

     

    まだ初心が残されていたあの頃に受けた探偵試験の最終問題で、彼らは胸を張って答えたはずだ。

    木を隠すなら炎の中。

    炎を隠すなら水の中。

    水を隠すなら雨の中。

     

    雨を隠すなら嵐の中。

    そして、謎を隠すなら謎の中、と。

    事件の中に事件を潜ませ、目を欺くことは初歩の技術。

    あらゆる事件は、基本的な技術にそれなりの工夫を施して姿を変えているにすぎないという意味だ。

     

    憤りに高ぶり、感情が溢れだす。

    彼らは知らない。

    知らないまま、この事件は幕を下ろす。

    誰にも解かれないまま、事件は闇の中。

     

    誰にも解いて欲しくないと思う反面、誰かに解いて欲しいと云う期待。

    それは、正義の味方と云う幻想を抱く子供の様なものだ。

    この世界に正義を語ることの出来る者は、まだ表れていない。

    未来永劫続く平和を謳うことは簡単だが、この世界を動かすだけの力がなければ、何も変わらない。

     

    それを知っている。

    それを知っているからこそ、この手を犯罪に染め、血で汚し、快楽として享受するまでになったのだ。

    それでも果たしたい目的があった。

    目的のためなら、例え意に反することでも実行に移せる。

     

    机に置かれていた拳銃の弾倉を抜いて、残弾を確認。

    遊底を軽く引いて薬室に弾が装填されていることを確認し、懐に収める。

    道化は道化らしく、最後までその役を果たす。

    それが、自分の仕事。

     

    胸を痛めながらも、ブーンを殺したのはそのためだ。

    小さな少年だった。

    勇敢な少年だった。

    愚かな少年だった。

     

    あのような少年が世界に増えればいい。

    そうすれば、世界は今よりももっと綺麗になる。

    無線機が五回、定められたリズムを刻んで電波を受信した。

    これが合図。

     

    全ての準備が整い、計画通りに舞台が動き始める合図だ。

    重い腰を上げ、所定の位置に向かう。

    玄関の扉に手を伸ばした時、いつもの癖が出てしまう。

    念には念を、の癖だ。

     

    完璧にこなしたとしても、確認をせずにはいられない癖。

     

    「ふむ」

     

    踵を返して、ベッドの下に隠した死体を覗き込む。

    息を吹き返していないかどうか、改めて調べる必要がありそうだ。

    服を掴んで引きずり出すと、そこには完璧な絞殺体があった。

    顔には鬱血、首元には内出血の痕。

     

    一旦気絶させてから、風呂場で縄を使って絞殺したため、汚物は部屋の中にはない。

    服も着替えさせてあるし、息もしていない。

    確かに、死んでいる。

    死んではいるが、先月起こった事件を思い出す。

     

    死亡が確認された死刑囚が息を吹き返し、再び処刑されたと云う事件。

    デレシアに使うはずだった毒薬のアンプルを懐から取出し、死体の口に含ませた。

    これで、確実に死ぬ。

     

    「……君は義務を果たした。

    安らかに眠るといい」

     

    そう言い残して、部屋から出て行った。

     

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               ‥…━━ August 6th AM11:25 In the control room ━━…‥

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    朝日が雲の隙間から顔を覗かせ、洋上に浮かぶ巨大豪華客船を照らし出してからもう大分経つ。

    白い巨体が乱反射する海面に浮かぶ姿は、鏡の上にできた影の様だった。

    自然の光が船内に注ぎ込んでから、人々の心中には安堵が芽生え始めた。

    嵐の中と晴天の中とでは、人の心境は大きく変わる。

     

    それまで偽りの青空を映し出していた天井のモニターが引き込み、一枚張りの大きなガラス越しに本物の青空を覗かせた。

    だがその青空を頭上に見上げられる人間は、第三ブロックにいる者に限られた。

    それは、船のほぼ全てを操作することの出来る操舵室も例外ではなかった。

     

    「……ん?」

     

    それでも、船首である第一ブロックにある操舵室からの展望は非常にいい。

    乗組員から言わせれば、オアシズで最も眺めのいい場所は間違いなく操舵室だ。

    二十階建てのオアシズの七階に位置する操舵室でレーダーを睨みつけていたキース・バレルは、隣にいるエル・マリンを見た。

    異変に気が付いたのは、彼だけではなかった。

     

    レーダーに映る小さな船影に気付いたのは、オアシズの船長、ラヘッジ・ストームブリンガーも同じだった。

    舵輪の備え付けられた船長専用の座席には、レーダーを含んだコンソールが備わっている。

    前方から距離を縮めてくるそれは、ジュスティアの物ではない。

    ジュスティアは後方にあり、前方から来る船など連絡がなかった。

     

    キースは慌てて現在地と海図とを見比べ、海賊の多発する場所との距離を測る。

    ラヘッジも計算を行い、海賊の活動範囲外にいる事を確認した。

    この場所で海賊に出くわすのは奇妙だ。

     

    「船長、前方より船影が七つ接近中。

    本船を目指しているものと思われます」

     

    報告をしながらも、キースは決してレーダーから目を離そうとしない。

    船影の大きさからすると、中型の漁船ほどの物だ。

    移動速度もその程度だ。

    ラヘッジはその報告とレーダー図を見て、眉を顰めた。

     

    漁船だとしてもタイミングと合わせて考えると、明らかに不自然だった。

    嵐の通り道から、わざわざ嵐を追って来る船はいない。

    漁師が嵐の後に漁をするのもまたおかしい。

     

    「ヨセフ、警備員達に通達しろ。

    海賊の可能性が高い」

     

    無線係であるヨセフ・ガガーリンが頷き、無線機を所有している全員に発信する。

     

    「全職員に報告します。 十時から二時までの方角から、合計で七隻の船が接近中。

    海賊の可能性もあります。

    それぞれ所定の位置に着き、対処してください」

     

    「キース、電池はどうだ?」

     

    「残り三十パーセント。

    エンジンに回しても、生活電力との関係ですぐに停船してしまいます」

     

    こうして報告している間にも、船影はオアシズを取り囲むように移動を開始している。

    たった七隻。

    しかし、こちらは動かぬ島と化した巨大船舶。

    状況で言えば、決して有利とは言えなかった。

     

    万が一相手が海賊だった場合、オアシズへ侵入を試みるだろう。

    船内へ通じる非常用階段を使えば、それは可能だ。

    だが彼らにとって、今はタイミングが悪かったとしか言えない。

    船外、そして船内に通じる扉はことごとくロックがかけられている。

     

    それを解除できるのは市長であるリッチー・マニーの生体データだけだ。

    まだ海賊と決まったわけではないが、用心するに越したことはなかった。

    船は配置に着いたのか、速度を落とした。

    やはり、オアシズの進路を封鎖する形だ。

     

    七隻はオアシズから約三百ヤードの地点で扇形に展開して、こちらの様子を見ているようだ。

    事態の深刻さを察知したラヘッジは、すぐに指示を出した。

     

    「各員に通達。 不明船は包囲陣形で停止。

    攻撃に備え――」

     

    「――ひぐっ!?」

     

    誰かの狼狽えた声が聞こえたと思った次の瞬間、操舵室は地獄絵図と化した。

    悲鳴と共に椅子から転げ落ちた船員たちは、頭髪を毟り取り、喉を掻き毟りながら、口から血の泡を吐いて痙攣した。

    ボタンを押すことも、放送を入れることも、レーダーを確認することも出来ないまま、彼らはやがて動かなくなる。

    唯一無事なのは、ラヘッジだけだった。

     

    「毒かっ……!!」

     

    いつ、どのタイミングで毒が盛られたのか。

    答えはすぐに出た。

    ディアナ・カンジンスキーが皆に振舞ったコーヒーだ。

    ラヘッジだけがあれを口にしていない。

     

    死んでいる人間との違いは、それしかなかった。

    即効性だと怪しまれるために、わざと遅延して効果が表れる毒を使ったのだ。

    白目を剥いて地面に転がっているディアナを見ると、彼女が盛ったのではないことが分かる。

    別の段階でコーヒーに毒が混入され、操舵室に運び込まれた。

     

    タイミングの良さを考えると、本来であればあの海賊たちは密かに乗船する予定だったはずだ。

    内通者がいる。

    その内通者が何者なのか、ラヘッジはすぐに気付いた。

    連続殺人犯こそが、海賊の一味。

     

    警戒の目を船外ではなく船内に向けさせ、レーダーを管理している操舵室を無効化し、侵入を容易にする算段だったのだろう。

    だが偶然の産物によって、それが破算となった。

    ラヘッジはその場に止まることが危険だと理解した。

    緊急放送用のマイクを掴み、無線を持っている全員に向かってラヘッジは叫んだ。

     

    「コードブラック、コードブラック!!」

     

    コードブラック。

    外敵から攻撃を受けたことを意味する、ハザードレベル5に直結する緊急コードだ。

    犯人の狙いは、オアシズのシージャック。

    彼らの失敗は、この船に乗り合わせているジュスティア軍の存在と既に発令されているハザードレベル5だ。

     

    しかし、船外から中に入ることが出来ないのと同じく、船内から船外に出ることは出来ない。

    また、警備のほぼ全ては第三ブロックに集中しており、彼らが迎撃に向かうことも出来ない。

    迎撃するためには、第三ブロックから船外に通じる全ての出入り口のロックの解除が必要だ。

    その権限を持っているのは市長であるマニーだけ。

     

    ベレッタの安全装置を解除し、操舵室から脱出しようと出口に顔を向ける。

    無線を聞いていたジュスティア軍の兵士二名が、操舵室に入ってきたところだった。

    運がいい。

     

    ::0::0::)「何事ですか?!

         これはひどい……」

     

    「あぁ、犯人と海賊はグルだ。

    海賊の侵入を手助けするのが犯人の目的だったんだ」

     

    ::0::0::)「なるほど。 船の動かし方は?」

     

    流石は兵士だ。

    この状況でも狼狽えずに、必要な行動をしている。

     

    「これがマニュアルだ」

     

    船を動かせる人間のほとんどがいなくなった以上、彼らの力を借りるしかない。

    ラヘッジは机の引き出しから、分厚い本を取出し、手渡した。

     

    「まずは市長を探して、ロックを解除してもらわないと」

     

    ::0::0::)「今、同志たちが探しています」

     

    「あぁ、頼む」

     

    ::0::0::)『一度は死んだが、天国がどんなだか聞きたいか?

     

    男の口から出た言葉を聞いてから、ラヘッジは時間の流れがとてもゆっくりとしたものに感じた。

    その時間の中、彼の思考は自然と逆算してその言葉の意味を理解しようとした。

    言葉の意味は質問だったが、本質は違う。

    それは紛れもなく、軍用第三世代強化外骨格の機動解除用のコードだった。

     

    声の前には、視覚情報もあった。

    彼らは棺桶を背負っていた。

    サイズはBクラス。

    その前には、距離の疑問があった。

     

    第三ブロックからここまで来るには、マニーの力がいる。

    無線で緊急事態を告げてから、五分も経っていない。

    事前にこちらを目指していたとしか思えない。

    つまり、こうなる前に許可を得て移動していたのだ。

     

    逆算が終了し、現実の世界に引き戻されるまでには一秒弱。

    目の前にいる兵士の拳が鼻面に吸い込まれ、床に倒れる。

    その背後には、強化外骨格を装着し終えた男の姿が。

     

    「い、一体お前たちは!?」

     

    上体を起こしながら、ラヘッジは問うた。

    犯人だけでなく、ジュスティア軍人までもが加担する事件。

    目的、そして正体は何なのか。

    それが全く分からない。

     

    ラヘッジを殴り倒した男は、腰から拳銃を抜いて答える。

     

    ::0::0::)「我々ですか? 勇敢な、そして優秀な船長殿。

         我らの上官に代わり、お答えしましょう」

     

    拳銃の銃口を向けながら、男は誇らしげな声で言った。

     

    ::0::0::)「我々は――」

     

    銃声、衝撃。

    そして暗転。

    終ぞ、ラヘッジは男の言葉を聞くことが出来なかった。

    例え聞いていたとしても、それは彼の頭には残らなかっただろう。

     

    その言葉を記憶した脳髄が床に飛散してしまっては、何の意味もないのだから。

     

    ::0::0::)「操舵室制圧」

     

    難なく操舵室を占拠し終えた男は、ラヘッジが使っていた物とは異なる周波数の無線を使って、仲間達にそう呼びかけた。

     

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    AmmoRe!!のようです

     

                                             Ammo for Reasoning!!

     

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    二二ニニ_____|

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    , r'´   , r ニニ、ヾー-)

          ヾ ̄0ヾ `゙フ ソ

      し ニ=  `ー-'′  (  ‥…━━ August 6th AM11:28 In the 3rd block ━━…‥

         ヽ__ノノ_冫‐ `i

           , ,'.' 冫   |

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    コードブラック、という言葉を無線で聞いた瞬間、ジュスティア海軍所属強襲部隊“ゲイツ”の指揮官、カーリー・ホプキンスは気持ちを戦闘用のそれに切り替えた。

    船に危機が迫っている。

    正直、この船で起きたという殺人事件については手を拱いていたというか、何も考え付くことがなかったので丁度良かった。

    こうやって分かりやすい形で危機が迫ってくれると、手出しが楽だ。

     

    室内戦を想定して改造されたコルトM4は銃身を限界まで切り詰め、銃床を伸縮式の物に変え、更に既存のバレルを交換して対棺桶用の弾を発砲できるようにされている。

    ダットサイト、そしてアングルドフォアグリップによって中距離での射撃制度も上げている。

    貫通力の高い銃弾が装填済みで、棺桶だけで無く、固い装甲や障害物に対しても有効だ。

    漁船程度の大きさなら、エンジンを狙えば動きを止められる。

     

    オアシズを取り囲むほどの相手なら、間違いなく棺桶を持っているはずだ。

    棺桶には棺桶だ。

    背負っている運搬用コンテナの中には強襲作戦に特化したAクラスの棺桶、“キーボーイ”が入っており、当然、ホプキンス用の改修が施されている。

    停船中を好機と考えたのだろうが、海賊たちは自ら進んでライオンの檻に入ってこようとしているだけだ。

     

    檻に触れる前に殺す。

    ジュスティア軍の力を見せつけるいい機会だ。

    力を見せつければ、犯人も怖気づいてこれ以上の犯行を考え直すだろう。

    海賊の騒ぎを解決すれば、一先ず仕事をしたことにはなる。

     

    一連の事件解決に関してはトラギコ・マウンテンライト刑事と探偵たちに任せた方がいい。

    となれば、行動あるのみだ。

    まず必要なのは、先制攻撃。

    先制攻撃に必要なのは、位置に着くことだ。

     

    海賊船に対して攻撃を与えるためには、第三ブロックから外に出る必要がある。

    その為にはマニーの許可が必要だ。

    全体会議以降姿を消してしまったマニーに向かい、ホプキンスは無線で呼びかけた。

     

    「市長、こちらホプキンス少佐です。

    海賊の迎撃のために、船外への移動許可をいただきたい」

     

    すると、無線機から帰ってきたのは第三ブロック長、ノリハ・サークルコンマの声だった。

     

    ノリパ .゚)『すでに船外に出るための扉は開閉されています。

         お急ぎください!』

     

    対応が早い。

    目の前では、従業員たちが乗客達にすぐに部屋に戻る様に指示を出している。

    これで、安心して戦える。

    ホプキンスは海兵たちの無線に向かって、指示を出した。

     

    「賊を排除するぞ。 ヴァルとラルは操舵室に行き、敵船の位置を報告。

    残った者はスリーマンセルで行動し、船外から賊を攻撃。

    ジンターとギュスターヴは私と共に屋上から外に出て、全体を指揮する。

    状況開始、後れを取るな!!」

     

    そして、ホプキンスは駆けた。

    緊急時に動けるようにと十階にいたのが幸いだった。

    エレベーターに乗り込み、屋上行きのボタンを押す。

    体が軽く持ち上がる感覚の中、ストラップで肩に掛けていたライフルを確認する。

     

    弾、状態、バッテリー。

    全て万全だ。

    ダットサイトの電源を入れ、安全装置を解除してから棹桿操作をして薬室に一発送り込み、いつでも戦闘が可能な状態にする。

    ストックを伸ばし、フォアグリップの穴に指を入れてしっかりと持つ。

     

    屋上に到着する前に、ホプキンスはライフルを前方に構えた。

    扉がゆっくりと開くと、その隙間から強い潮風が顔に吹き付けた。

    眩しいほどの青空には雲一つ浮かんでいない。

    波の音と風の音が涼しげだ。

     

    夏の暑さを含んだ空気にも、ホプキンスは眉ひとつ動かさない。

    銃口の先には、鮮やかな人工芝が敷かれていて、運動場を思わせた。

    慎重に歩を進め、船外に足を踏み出す。

     

    「……まだ来てないのか」

     

    部下達がまだ来ていないことに少し落胆したが、ホプキンスはそれならばと、まずは海賊船を確認することにした。

    船の縁まで姿勢を低くして移動し、左舷の高い柵から下を見下ろす。

    確かに、灰色の船が囲むようにいる。

    まだ何もアクションを起こしていないのを見ると、要求や侵入方法を考えているのかもしれない。

     

    ::0::0::)「少佐殿!!」

     

    「ん? お前は――」

     

    声に反応して振り返るも、ホプキンスはその声の主がジンターやギュスターヴで無いと分かった。

    一体誰の声だろうか。

     

    ::0::0::)「攻撃です!!」

     

    その声が無線機からも同時に聞こえたかと思うと、背後から連続して銃声が鳴り響いた。

    海兵はホプキンスの襟首を掴んで、一気に引きずり倒した。

     

    「うぉっ?!」

     

    ::0::0::)「こ、こいつら……うわぁっ!?」

     

    屋上の至る所から次々と銃声が響き、悲鳴が風に乗って届いてくる。

    しかし、目の前にいる男は倒れないどころか、撃たれた気配すらない。

    遊んでいるのか。

     

    ::0::0::)「し、少佐!? 大変だ、ホプキンス少佐が殺された……

         本部、聞こえるか? “ゲイツ”は全滅……全滅だ……

         あ、あっ……やめっ……!!」

     

    何を。

    何を、言っているのだろう。

    まだ自分は生きている。

    ただ、倒されただけだ。

     

    周囲では銃声が響いて、悲鳴がするだけだ。

    誰も死んでなどいない。

    何がどうなっているのだ。

     

    ::0::0::)「……では、さようなら、少佐」

     

    銃声が、ホプキンスのちっぽけな疑問と意識を脳髄ごと吹き飛ばした。

    コードブラックを耳にしてから、僅か六分の出来事だった。

    物言わぬ死体の傍に立つ男は、無線機に向かって淡々と報告した。

     

    ::0::0::)「屋上制圧」

     

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               ‥…━━ August 6th AM11:35 In the 3rd block ━━…‥

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    最終的な変更点はわずかだった。

    気にしないといけないことは、侵入口の数が五分の一となり、館内の五分の一しか制圧できない点ぐらいだ。

    最優先目標は変わらず、市長のリッチー・マニーの確保。

    海賊船は両舷に分散し、所定の位置に付く。

     

    左舷に六隻、右舷に一隻。

    船長が乗る指令艇一隻が第三ブロックの警備員詰所前でエンジンを切り、船首に取り付けた捕鯨砲を喫水線よりも上の壁を狙って撃ち込んだ。

    クジラの巨体をも貫通する銛はオアシズの壁を貫き、海賊船とワイヤーで繋がった。

    捕鯨砲のスイッチを入れてワイヤーを巻き取り、海賊船をオアシズに密着させて停船させた。

     

    見上げると、途方もなく巨大な船なのだと再認識させられる。

    進入口が一階とは言っても、実際は喫水線の上にあるわけではない。

    喫水線の約五十フィート上にせり出す形で設けられた踊り場がある。

    そこが非常口の出口となっており、そこまでは垂直に伸びる梯子を上って行く事になる。

     

    非常口前には転落防止用の鉄柵に囲まれた広い踊り場があり、巨大な非常階段がそこから壁伝いに屋上まで伸びている。

    この階段を使えば、各階への移動が簡単に行える。

    立派な装備で身を固めた部下達が甲板から梯子を使ってオアシズを登っていく様子を、ストローハット海賊団船長、マンキーデー・ラフィングは満足げに見ていた。

    これまで彼らが狙った中で最大級、否、世界中の海賊達も決して成功しなかった世界最大の豪華客船への海賊行為。

     

    海賊の王を夢見て幾星霜。

    ラフィングの夢が成就するのも、そう遠くなさそうだ。

    彼らは、ラフィングが海賊を志してから直に集めた同じ夢を持つ仲間。

    皆、防弾ベストと個人防衛火器であるP90、そしてBクラスの棺桶で武装している。

     

    海賊の装備としては現代的かつ高価な物ばかりだ。

    部下には話していないが、今回の件には出資者がいる。

    ラフィングは出資者の指示したことをやれば、後はオアシズをどうしてもいいと約束を取り交わしている。

    無論、そんな約束を守る必要はないが、今後とも是非ビジネスを続けたい相手であるため、今はまだ裏切らない。

     

    彼自身も船から梯子に飛び移り、胸の高鳴りを感じた。

    この大きな獲物を彼らが好きにできると云うのは、金持ちの美女を好きにしていいのと同義だ。

    出資者からの指示は一つ。

    市長を捕らえて指定の場所で引き渡すだけ。

     

    楽な仕事だ。

    梯子を上り終えると、部下達が非常口である水密扉の前で待機していた。

    入り口で指示を待つ部下達に、ラフィングはハンドサインで合図し、待機を命じた。

    左舷が各階に散る中、右舷の彼らは一か所から侵入し、第三ブロック唯一の詰所を制圧することを狙いにしている。

     

    つまり左舷は陽動、右舷が本隊だ。

    事は慎重に、かつ確実に行う必要がある。

    まだ誰にも気づかれていないことは分かっているが、焦って事を仕損じるわけにはいかない。

    左舷が侵入し、船内の注意がそちらに向いた頃合いに詰所を襲えば容易に制圧が出来るが、タイミングを誤れば警備員の残る部屋に入ることになってしまう。

     

    無線が三度、無言の合図を受信した。

    二度、無言で無線を送り、こちらも合図を出す。

     

    ::0::0::)「ゴー」

     

    ここから先は害虫駆除に似た動きをするだけだ。

    短い合図を受け、先頭に立つ男が水密扉に付いたハンドルを回し、ゆっくりと押し開く。

    そして、空いた隙間から一気に二人が侵入した。

    海賊団切っての命知らず、ブロックリンとジンサだ。

     

    声を立てずに侵入した彼らがまず中の安全確保と偵察を行い、その後で残りが入る作戦だ。

     

    ::0::0::)「クリア!」

     

    一発の銃声を聞くことなく、クリア、の声を先に聞くこととなった。

    銃を構えながら船内に入る男達の最後尾に、船長であるラフィングは余裕の表情で付いた。

    広々とした警備員詰所には、誰もいなかった。

    多少は反撃を予期していたのだが、どうやら、全員出払った後のようだ。

     

    拍子抜けではあるが、戦闘が避けられたのは良い事だ。

    構えていた銃を下に降ろし、指をトリガーガードに乗せる。

    胸の無線機を取り出して、専用の周波数に合わせて状況を報告する。

     

    ::0::0::)「第三ブロック警備員詰所、制圧したぞ」

     

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    制圧の報告後、ラフィングたちはこの詰所を念入りに調べた。

    爆破物などの危険や、罠である可能性を考えたのだ。

    考え過ぎだったようだ。

    楽な仕事だ。

     

    今日はいい日だ。

    仕事が円滑に進めば、それだけ時間が有効活用できる。

    その分金も手に入るし、好きなことに時間を使える。

    例えば、海賊業の旨味の一つ。

     

    ::0::0::)「よし、まずは人質だ。

         若い女、それと子供を選んで連れてこい。

         ここを一旦、我々の拠点にするぞ」

     

    人質は儲かる。

    世界中、どこでもそれは通じる。

    生かしておけば金が入るかもしれないし、売っても金になる。

    特に、女子供は高値で売れる。

     

    連れ帰って彼らの慰み者になってもらってもいいし、いいこと尽くしだ。

    中でも、ラフィングが好むのは女児だ。

    美人になる素質を漂わせる、六歳ぐらいの女児が最もいい。

    子供の中でも、女児は特に恐怖に屈しやすいからだ。

     

    邪悪な笑い声を上げながら、男達が続々と詰所から出て行き、居住区へと進んでいく。

    ラフィングと男二人が詰所に残り、部下が連れてくる人質を待つことにした。

    ナイフ使いのババロア・ジロー、そして狙撃の天才ソイップは煙草を咥えて余裕の表情を浮かべている。

     

    「――ひきゅっ?!」

     

    悲鳴が、どこかで上がったような気がした。

    周囲を見渡すが、ラフィング以外にそれに気付いた様子がない。

    気のせいだろうか。

     

    「――あぱっ!」

     

    否。

     

    「どうっ!?」

     

    これは。

     

    「みけっ!」

     

    気のせいなどではない。

     

    「てゅっ!?」

     

    「うがあああああ!!」

     

    「誰だてめ――」

     

    間違いなく、悲鳴だ。

    サンドバッグを殴るような鈍い音――サプレッサーで抑えてはいるが、紛れもなく銃声だ――の後に悲鳴が上がっている。

    そして、フロンキーの悲鳴を最後に銃声が止んだ。

    ラフィングは叫んだ。

     

    それは命を奪われたコニー・ビロンやニトー・チョップー達のための叫びではない。

    自分自身の身を守るための叫びだ。

     

    ::0::0::)『夢と希望が我らの糧。我ら、正義と平和の大樹也!!』

     

    謎の襲撃者がすぐにでもここに攻め込んでくる可能性を考慮して、咄嗟に棺桶を装着した。

    それが幸運だった。

    コンテナに取り込まれる一瞬前に、目の間でババロアとソイップの頭が一部吹き飛び、コンテナの蓋に銃弾が当たる音を聞いたのだ。

    防弾性に優れたコンテナの中では装着を終えるまでの間、外の音がほとんど聞こえてこない。

     

    ただ、何者かがラフィングたちを殺そうとしているのは分かった。

     

    「早く、早くっ……!!」

     

    残り三秒。

    着々と、彼の体に合わせて強化外骨格が取り付けられているのが分かる。

    この暗闇から外に出れば、襲撃者を返り討ちにできる。

    早く敵を殺したい一心で、ラフィングは乾く唇を舐めた。

     

    残り二秒。

    誰の気配もしない。

    ラフィングが棺桶を使おうとしているのを見て、怖気づいたのだろうか。

    今更許しを請われようが、絶対に許さない。

     

    そして、時間になった。

    コンテナが開き、強化外骨格で全身を固めたラフィングが一歩を踏み出す。

     

    〔欒゚[::|::]゚〕『どこだ、どこにいる……』

     

    銃を構えて、周囲にそれを向ける。

    それ以上、足を踏み出せない。

    否、踏み出さないでいる。

    少なくともこの位置にいれば、背中はコンテナが護ってくれる。

     

    三方向に意識を集中させていればいい。

    仲間達を皆殺しにして逃げたのか。

    いや、それはない。

    この部屋に、まだいる。

     

    どこかでこちらの様子を見ている。

    ラフィングは、試されているのだ。

    これまでに感じたことのない緊張感に、ラフィングはたまらず呟く。

     

    〔欒゚[::|::]゚〕『くっ……何が、何が目的だ……』

     

    声が、聞こえた。

     

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     

                       I want love or death. That's it.

                  『あたしが欲しいのは愛か死か、それだけだ』

     

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     

    それは女性の声だった。

    それは美しい声だった。

    それは歌うように紡がれた言葉だった。

    声が聞こえてから振り返ろうとするまでの間は、僅か三秒。

     

    命取りとなる三秒だった。

    だがそれに、ラフィングが気付くことはない。

    背後から電磁誘導で射出された杭がコンテナを貫通し、彼の後頭部から顔を貫いたのだから。

     

    【+ 〔欒゚[●ル>フ。゚ ・ ィ゚

     

    強化外骨格を運搬するためのコンテナは、そう簡単な事では破損しない。

    棺桶はその装着時間が最も無防備であるため、それを補うためにコンテナはかなり堅牢な作りをしている。

    状況によっては遮蔽物としても使用することが可能なそれに対して、棺桶持ちは絶大な信頼を置いている。

    勿論、使用頻度によっては強度が落ちて徹甲弾に貫かれる例もあるが、普通はコンテナごと急所を破壊されるなど、夢にも思わない。

     

    ラフィングも例外ではなかった。

    声が聞こえてから彼はまず、左右の確認を行った。

    これで一秒半を消費した。

    残された一秒半で彼が判断したのは、背後にいると分かった人間への対処方法だ。

     

    彼が選んだのは、コンテナを相手側に蹴り飛ばして機先を制すことだった。

    だがそれは、コンテナが後ろにある限り、背中から攻撃されることは有りえないと云う感覚があったからだ。

    棺桶持ちだけが持つ、無意識の内に芽生えた油断。

    襲撃者は、そのことを熟知し、その油断を容赦なく狙った。

     

    しかしラフィングの考えは間違いではない。

    長年に渡る戦闘を経験して理解した、コンテナの強度に対する信頼。

    室内と云う状況を合わせて考えれば、彼の動きは模範的だった。

    普通なら、それで対処できる。

     

    相手が普通なら、の場合だが。

    杭が引き抜かれると、死体はその重みで背後に倒れ、再びコンテナの中に納まった。

    文字通りの棺桶となったそれの上に足を乗せ、襲撃者は杭打機を振って血を振り落とした。

    それは、単一の目的のために開発された対強化外骨格用強化外骨格、“レオン”に相違なかった。

     

    となれば、それを駆る迎撃者は――

     

    ノハ<:::|::,》「さぁ、お仕置きの時間だ」

     

    ――ヒート・オロラ・レッドウィング、ただ一人なのである。

     

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    AmmoRe!!のようです

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               ‥…━━ August 6th AM11:44 In the 3rd block ━━…‥

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                                           第八章【intercept-迎撃-

                                             To be continued...!!

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